外国に直接武力で攻撃を加えることを直接侵略というのに対して、外国の反政府団体を操作し、これに物的、財政的または軍事的援助を与え、武装蜂起(ほうき)、内乱などを促す形態で行われる侵略をいう。この用語自体は第二次世界大戦以後のものであるが、その観念は、たとえば1933年に反革命を警戒するソ連が若干の国と結んだ侵略の定義に関する諸条約にも表れている。第二次大戦中はドイツの第五列の工作が注目され、国連憲章制定当時に、このような行為の禁止が問題となったが、結局、憲章にはなんらの規定も設けられなかった。しかし各国は、相互の条約(たとえば旧日米安保条約第1条)や国内法(たとえば自衛隊法第3条)で、しばしば間接侵略の観念を導入している。1970年に国連総会で採択された諸国間友好関係宣言は、「すべての国家は、他の国家において内戦行為またはテロ行為を組織し、教唆し、援助を与え、もしくはそれらに参加すること」などを慎む義務を有するといい、74年に国連総会で採択された侵略の定義に関する決議は、「重大な武力行為を他国に対して実行する武装集団、団体、不正規兵または傭兵(ようへい)の国家による、もしくは国家のための派遣、またはこのような行為に対する国家の実質的関与」を侵略行為の一形態としている。いずれも間接侵略という用語は用いていないが、実質的に間接侵略の違法性を確認したものといってよい。
[石本泰雄]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…対外的にはJapan Defence Forceと称する。直接侵略および間接侵略に対し日本を防衛することを主たる任務とし,必要に応じ,公共の秩序の維持にあたる。
【沿革】
自衛隊の起源は1950年8月に発足した警察予備隊にさかのぼる。…
…これに対する国民の意識構造がいかなる侵略の論理をも否定しない限り,再び侵略の可能性がある。
[間接侵略]
第2次大戦後,米ソ冷戦の激化を反映して,武力行使による直接侵略とは別に間接侵略が問題となってきた。西側(とくにアメリカ)は,ソ連が他国の共産党をとおして政府の転覆をはかったり,革命を指導しているとし,それをソ連の間接侵略として非難した。…
※「間接侵略」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新