阿寺の七滝(読み)あてらのななたき

日本歴史地名大系 「阿寺の七滝」の解説

阿寺の七滝
あてらのななたき

[現在地名]鳳来町下吉田 七滝

大野おおの村から阿寺川に沿って巣山すやま村に向かって進み、阿寺の集落を出てから約一キロ、左手の谷の奥まった所にある。巣山高原から流れ落ちる水が、自然林の中の礫岩断層崖にかかり、全長六二メートル。七段の滝となり、巨大な甌穴の中には、深さ七メートルのものがある。滝とその周辺は国指定天然記念物。礫岩は子抱石こだきいしといわれ、これを持ち帰って祀ると、子宝に恵まれると伝えられている。

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改訂新版 世界大百科事典 「阿寺の七滝」の意味・わかりやすい解説

阿寺ノ七滝 (あてらのななたき)

愛知県新城市の旧鳳来町,JR飯田線三河大野駅の東方約7kmにある滝。中央構造線東辺にあたり,阿寺川がレキ岩よりなる断層崖に瀑布群をつくり,落差約70mの間に滝が7段あることから七滝の名がある。東海自然歩道の一部をなし,名勝・天然記念物に指定され,観光客が多い。滝付近のレキ岩は一名〈子抱石〉と称し,持ち帰ってまつると子どもを授かるという信仰がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「阿寺の七滝」の意味・わかりやすい解説

阿寺の七滝
あてらのななたき

愛知県新城市(しんしろし)にある滝。国指定の名勝・天然記念物。阿寺川が礫岩(れきがん)層の断層崖(がい)に7段の階段状の滝をつくっている。第一と第七滝間の落差は62メートル。1段ごとに滝壺(たきつぼ)をもち、滝壺ごとにポットホール(甌穴(おうけつ))がある。巨大なポット・ホールは深さ7メートルに達する。礫岩層は設楽層群の基底礫岩とされているが、化石が未発見のため時代の確定はできない。

[伊藤郷平]


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デジタル大辞泉プラス 「阿寺の七滝」の解説

阿寺の七滝

愛知県新城市にある滝。阿寺川上流にかかる7段の滝。1934年、国の名勝かつ天然記念物に指定。1990年、日本の滝100選に選定された。

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事典・日本の観光資源 「阿寺の七滝」の解説

阿寺の七滝

(愛知県新城市)
日本の滝百選」指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

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