朝日日本歴史人物事典 「阿部正外」の解説
阿部正外
生年:文政11.1.1(1828.2.15)
幕末の老中。幕臣阿部正蔵の次男に生まれる。禁裏付,神奈川奉行,外国奉行を経て町奉行。元治1(1864)年3月,宗家阿部正耆の養子に入り白河10万石の藩主となり,同年6月老中に就任,幕府内強硬派を代表した。慶応1(1865)年2月,本荘宗秀と幕兵3000を率いて上洛,朝廷への管理強化を図ったが失敗。同年9月,英仏米蘭の外交団の要求を受け,兵庫の早期開港を幕議として決定,これを不満とした朝廷によって,官位剥奪,老中罷免,国許謹慎を命じられた。翌2年6月,幕命により城を棚倉に移され,藩主の座を子の正静に譲って蟄居。戊辰戦争では奥羽越列藩同盟に参加した。
(井上勲)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報