雛菓子(読み)ヒナガシ

デジタル大辞泉 「雛菓子」の意味・読み・例文・類語

ひな‐がし〔‐グワシ〕【×雛菓子】

雛祭りに供える菓子菱餅ひしもち雛あられなど。 春》

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精選版 日本国語大辞典 「雛菓子」の意味・読み・例文・類語

ひな‐がし‥グヮシ【雛菓子】

  1. 〘 名詞 〙 桃の節供に、雛壇に供える菓子。《 季語・春 》 〔俳諧・季寄新題集(1848)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「雛菓子」の意味・わかりやすい解説

雛菓子
ひながし

3月3日雛祭に雛壇に供える菓子の総称。生(なま)菓子と干菓子がある。

 生菓子では菱餅(ひしもち)(餅のほか求肥(ぎゅうひ)でもつくる)、引千切(ひちぎり)、草餅など。干菓子では白雪糕(はくせっこう)でこしらえた菱餅、雛あられ、有平(あるへい)細工のタイ、ハマグリ、モモの枝、またさまざまな貝の形を落雁(らくがん)にした「貝尽し」を飾る。これらの貝のうち、ハマグリには「雀(すずめ)」の文字がみられる。「雀海中に入りて蛤(はまぐり)となる」という中国の俗信による。

 菱餅は宮中で正月に用いる菱葩餅(ひしはなびらもち)を簡略にしたもので、白、緑、紅、黄色の餅を、二枚重ね(白緑、白紅)、三枚重ね(白緑紅、白緑黄)、五枚重ね(白緑紅白黄)にして飾る。色合いはこの季節を表現したもので、白は遠山残雪、緑は新緑、紅はモモの花、黄は菜の花になぞらえているという。引千切は小豆餡(あずきあん)をよもぎ団子の皮で包むか、よもぎ餅の中央をへこませて小豆餡を置くかしたもので、後者は「いただき餅」ともいう。ともに草餅の一種だが、現在では餅を五色に染めたり、餡を紅白にしたり、きんとんにしたりするなど、華やかな仕法も行われている。

 雛あられは文政(ぶんせい)年間(1818~1830)に「雛の菓子や、菓子袋」と振売りされたが、それ以前から一般の家庭では米花(はぜ)(煎(い)り米)や煎り豆をつくって供えた。煎り豆は「まめに入る」と縁起をかついで、互いに贈り合うのがしきたりであった。有平細工や落雁の貝は、雛人形が飾り雛以前に人形(ひとかた)の流し雛であったころ、祓(はらい)雛を流すついでに潮干狩を行った名残(なごり)とみられる。ハマグリの殻は雛の器にも用いた。

[沢 史生]

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「雛菓子」の解説

ひながし【雛菓子】

3月3日の桃の節句に供える菓子。菱餅(ひしもち)・雛あられなど。

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

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