翻訳|rip current
海岸に向かう波や風によって打ち寄せられた海水が沖に戻ろうとする時に発生する帯状の速い流れ。海上保安庁によると、幅10~30メートル、長さ数十~数百メートル程度で、速さは最大秒速2メートル。気象条件や波の強弱などで場所や規模が変わるため予測は困難。流された場合は海岸に向かおうとせず、岸と平行に泳いで抜け出すようにしたり、泳ぎに自信のない人は浮くことに専念し救助を待ったりするとよい。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
海岸に打ち寄せられた海水が、川の流れのようになって戻っていく強い水流。地方によって、だしや沖だしともいう。沖から海岸に向かって吹く強い風により波が打ち寄せ、岸側に押し集められた海水には、沖へ流れ戻ろうとする強い力が加わる。これが急激に岸を離れて沖へ向かう水流を生み出す。海岸の構造や地形などの影響により規模が変わり、幅は10~30メートルほどで、岸から沖に向かう長さは数十~数百メートルに及ぶ。流速は毎秒2メートル(時速約7.2キロメートル)に達することがある。
離岸流が発生しやすいのは、(1)近くに人工の構造物がある、(2)波が直角に近い角度で入ってくる、(3)外洋に面している、(4)遠浅で海岸線が長い、などの特徴を備えた海岸である。とくに(4)のような砂浜は海水浴場になっていることが多いため、海水浴客が重大な事故にあう危険性もある。また、サーファーは離岸流を利用して沖に向かうことがあるため、サーファーの多い海岸には離岸流が発生している可能性がある。海上保安庁の資料では、2013年(平成25)に全国で遊泳中の事故にあった284人のうち、51人が離岸流に巻き込まれたものとされている。巻き込まれた場合、離岸流は比較的幅が狭いため、岸と平行の方向に泳ぐことで抜け出せる可能性があり、流れと逆方向の岸に向かって泳ぐのは体力が奪われるため危険である。
なお、離岸流とは逆に沖から海岸へ寄せてくる流れは向岸流といい、海岸に平行に沿うような流れは並岸流や沿岸流という。
[編集部]
海岸から沖に向かう流れを一般に離岸流とよぶ。特に比較的底勾配の緩い海岸線に直角に近い角度でうねり性の波が入射するときには,幅は狭いが水面近くで流速の大きいリップカレントとよばれる離岸流が,数十mから数百mの間隔で砕波帯を横切って沖に流れ出す。リップカレントに海水を補給するのは,その岸側つけ根に向かう局所的な沿岸流や下層からの上昇流である。リップカレントは砕波帯内外の海水交換に寄与したり,浮遊土砂を沖合に運び去る働きをもち,また水難事故の原因となることも少なくない。これに対し,かなり底勾配の急な海岸ではリップカレントは生じにくく,中間層や水底に沿って沿岸方向にほぼ一様な離岸流を生じる。これを戻り流れあるいは底引き流れundertowとよぶ。
執筆者:渡辺 晃
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
(2019-8-6)
「リップカレント」のページをご覧ください。
出典 (財)日本水路協会 海洋情報研究センター海の事典について 情報
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