積雪上を走行するための特殊車両で,人員や物資の運搬,山林等の警備保安,レジャーなどに使用されるほか,軍用として兵員や資材の輸送,偵察,指揮連絡,火砲や弾薬等を積載した橇(そり)の牽引などに使用される。積雪上は通常の地面に比べて軟らかいので,積雪上を走行するためには,雪面と車両とが接する部分の圧力(接地圧)を非常に低くする必要がある。このため車体を軽量に作るとともに,接地面積をできるだけ広くするよう特殊な推進方式がとられる。現在使用されている雪上車については,大型では無限軌道(キャタピラ)を用いた全装軌式,小型では前部に橇,後部に無限軌道を用いた半装軌式が多い。日本では大正末期(1926年ころ)にアメリカのフォード乗用車を改造した半装軌式雪上車スノーバードを輸入して試験したのが最初で,本格的に国産の雪上車が使用されるようになったのは1955年ころ以降である。
執筆者:中冨 逸郎
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普通の自動車では走れない雪上を走行する自動車の総称。接地面積の比較的小さい通常の車輪は、新雪には埋まってしまって前進できないし、アイスバーン上では空転のため前進できず、ステアリング(操向)、ブレーキともに効かない。そこで多くの雪上車はクローラー(無限軌道。以前はキャタピラーとよばれていた)を装着している。原動機は寒冷地でも扱いやすいディーゼルエンジンが多い。用途としては極地探検のほか、積雪地での人員・物資の輸送、連絡などがある。日本では1956年(昭和31)の南極観測用に製造されたのが最初である。
このほかオートバイの前輪をスキーに、後輪をクローラーに変えた、1人または2人乗りのスノーモビルもあり、積雪地での連絡やスポーツに用いられている。
[高島鎮雄]
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