白熱球をモザイク状で帯状に配列し、点灯により文字列でニュースなどを表示するもの。1文字を約200個の白熱球で表示し、文章でニュースを流す方式を用いる。ビルの屋上に横長に、またはビルの側壁に縦長に、20~30ワットの白熱球を2000個程度配列した電光サインを使用するのが代表的なものである。古くは、白熱球に直結したコンタクト盤により文字を発生させた。コンタクト盤は、水銀接点または球形の接点列の間に、文字型の穴を開けた絶縁板またはテープ状の絶縁紙を通し、接点を選択して各白熱球を点灯する。この場合はテープに表示した文字または記号を描き、これに光を照射して硫化カドミウムなどの半導体光センサーを配列した受光盤で受ける。ここで光センサーの電気抵抗の変化を電気信号に変え、テープの移動と同期させて、サイリスタに送る。サイリスタはこの信号に応じて各列ごとに順次オン・オフを繰り返し、白熱球を点滅する。この方式は電線数が少なく、送る電流も少なくてすみ、信頼性も高いため電気工事は容易で、保守も容易である。最近では、各白熱球にサイリスタをつけ、サイリスタを電子回路で制御する方式をとっている。
似たものにシネサインがある。これは白熱球を長方形に配列して、文字だけでなく漫画、コマーシャルなどのモノカラーの画像を表示する。
[岩田倫典]
たくさんの電球を長方形の板に密集配列し,それらを順次点滅して文字を移動させニュースを伝える装置。日本では1928年に東京・大阪朝日新聞社社屋に取りつけられたのが最初である。電球の点滅には電球と同じ数,同じ配置の接点を並べ,それらをテープで開閉して行う。テープは絶縁性の紙で作られ,文字に相当するところに穴を開けてあるので,テープの移動とともに穴のところの接点が閉じて対応する電球がつく仕組みである。競技場や球技場の電光表示装置などでは,絵や文字をテレビカメラで写し,その信号を表示板の電球に伝える方式のものが使われている。そのほか,光電素子を並べ,これに映画のフィルムを投写し,それを電球の点滅に接続して画面をうつすシネサインもある。近年,光で情報を提示する装置が発達し,これらを光によるディスプレーと総称している。
執筆者:川瀬 太郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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