震い付く(読み)フルイツク

デジタル大辞泉 「震い付く」の意味・読み・例文・類語

ふるい‐つ・く〔ふるひ‐〕【震い付く】

[動カ五(四)]
感情をおさえることができないで、思わず抱きつく。
何時見てもあの女は、何だかこう水際立った、―・きたいような風をしている」〈芥川好色
寒さや病気などのために身体がふるえる。
「にはかに―・きて御所中むさきよし」〈御湯殿上日記・文明一四年閏七月二九日〉
[類語]組み付く抱き付くしがみつくかじりつくむしゃぶりつくつかみかかる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「震い付く」の意味・読み・例文・類語

ふるい‐つ・くふるひ‥【震付】

  1. 〘 自動詞 カ行五(四) 〙
  2. 身体が激しくふるえる。わなわなとふるえる。寒さや病気などのため、身体ががたがたふるえる。
    1. [初出の実例]「其のをこりはちっともたがはず、やくびゃうのやうなり、有時ふるいつく故云寒」(出典:杜詩続翠抄(1439頃)二)
  3. その物に対する愛情を制しがたく思わず抱きつく。また、その物に魅了され興奮のあまり取りつく。ふるえつく。
    1. [初出の実例]「鼈甲の櫛さ。〈略〉山の恰好から何から今風で、最う最うふるひつく様だった」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)三)
  4. 口惜しさやいきどおりを抑えることができなくてむしゃぶりつく。
    1. [初出の実例]「梓に顫着(フルヒツ)いて口惜がった時には」(出典湯島詣(1899)〈泉鏡花〉四二)

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