青緑山水(読み)セイリョクサンスイ

デジタル大辞泉 「青緑山水」の意味・読み・例文・類語

せいりょく‐さんすい【青緑山水】

群青ぐんじょう緑青ろくしょうなどを用いて彩色した山水画水墨山水に対していう。→金碧山水きんぺきさんすい

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精選版 日本国語大辞典 「青緑山水」の意味・読み・例文・類語

せいりょく‐さんすい【青緑山水】

  1. 〘 名詞 〙 主に濃厚な群青(ぐんじょう)緑青(ろくしょう)を用いて描いた装飾的な山水画。唐代に成立し、宋代には士大夫画家にも描く者がいたが、元以後は画工の絵とみなされて、ふるわなかった。→金碧山水(きんぺきさんすい)

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改訂新版 世界大百科事典 「青緑山水」の意味・わかりやすい解説

青緑山水 (せいりょくさんすい)

山水画の一種。中国の画史には青緑山水の用例はなく,これに類するものとしては南宋の趙希鵠の《洞天清禄集》にみえる金碧山水である。北宋米芾(べいふつ)の《画史》が金緑といい,南宋の鄧椿の《画継》が金碌というが,いずれも北宋末の山水画家王詵おうしん)について述べられたものである。趙希鵠は盛唐の画家李昭道が初めて金碧山水を描いたといい,敦煌の壁画山水図などを考えあわせると,このころ金泥や石緑,石青を主用する華麗な山水画が成立したことが推測される。そのような山水画が,北宋末から南宋にかけて,王詵,趙令穣,趙伯駒,銭選らによって復古的に描かれるようになって,金碧山水という名称が生まれたのであろう。ちなみに日本の平安朝のやまと絵について,《宣和画譜》は金碧を用いるといい,米芾は李昭道の父李思訓の画と混同される例を述べている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「青緑山水」の意味・わかりやすい解説

青緑山水
せいりょくさんすい

東洋画用語青色緑色のほか各種の顔料や金泥を用いて描いた山水画。中国,六朝時代の神仙山水にその萌芽はみられるが,盛唐期,李思訓,その子李昭道によって完成されたといわれ,のち北宋末,南宋初,元初,明中期などに復活した。美しい色面の対比により色彩本位の装飾的効果の表現眼目とされたが,同時に水墨画法への影響も見逃せない。

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