精選版 日本国語大辞典 「青鈍」の意味・読み・例文・類語 あお‐にびあを‥【青鈍】 〘 名詞 〙① 染色の名。濃い縹(はなだ)色。浅葱(あさぎ)色に、青みが混じった色。尼などが用いる色で、凶事や仏教関係の服飾に多く用いられる。[初出の実例]「経、仏の飾り、はかなくしたる閼伽(あか)の具などもをかしげに〈略〉あをにびの几帳、心ばへをかしきに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)初音)② 襲(かさね)の色目の名。表裏ともに、濃い縹(はなだ)色。[初出の実例]「四の宮、〈略〉あをにびの指貫(さしぬき)、同じ直衣、唐綾の柳襲奉りて」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開上) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
色名がわかる辞典 「青鈍」の解説 あおにび【青鈍】 色名の一つ。緑みの暗い灰色を表す伝統色名のこと。黒染に露草つゆくさの汁や藍あいをさして染めた染色。鈍色よりも少し緑みが強い。鈍色とは薄墨に藍をさして染めた暗い灰色をいい、古くは喪服の色であった。青鈍も凶事に用いられている。また、青みの暗い灰色までを含むという説もあり、衣服の襲かさねの色目いろめでいう青鈍は、表裏とも濃い縹はなだ色とされる。 出典 講談社色名がわかる辞典について 情報