靡く(読み)ナビク

デジタル大辞泉 「靡く」の意味・読み・例文・類語

なび・く【×靡く】

[動カ五(四)]
風や水の勢いに従って横にゆらめくように動く。「柳が風に―・く」
他の意志威力などに屈したり、引き寄せられたりして服従する。また、女性男性に言い寄られて承知する。「威光に―・く」「いくら口説いても―・かない」
[動カ下二]なびける」の文語形
[類語]はためく翻るひらめく棚引く翻す

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「靡く」の意味・読み・例文・類語

なび・く【靡】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 カ行五(四) 〙
    1. 風、水などの力により、それに流されるような形になる。
      1. [初出の実例]「稲莚(いなむしろ) 川副楊(かはそひやなぎ) 水行けば 儺弭企(ナビキ)起き立ち その根は失せず」(出典日本書紀(720)顕宗即位前・歌謡)
    2. 人の威力や魅力周囲状況などに引かれてそれに従う。人の意向に従う。特に、女が男に言い寄られて承知する。
      1. [初出の実例]「沖つ藻の 名延(なびき)し妹(いも)黄葉(もみちば)の 過ぎて去(い)にきと」(出典:万葉集(8C後)二・二〇七)
      2. 「こんな結構な男を捨てて赤シャツに靡くなんて」(出典:坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉七)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙なびける(靡)

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