翻す(読み)ヒルガエス

デジタル大辞泉 「翻す」の意味・読み・例文・類語

ひる‐がえ・す〔‐がへす〕【翻す/×飜す】

[動サ五(四)]
さっと裏返しにする。「手のひらを―・す」
からだをおどらせる。「身を―・す」
態度などを急に変える。「約束を―・す」
風になびかせる。ひらめかす。「旗を―・す」
[可能]ひるがえせる
[類語](1裏返すひっくり返す覆す倒す跳ね返す転覆逆転逆様転がす転ばすかす寝かす横たえる/(4はためく翻るひらめく靡く棚引く

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「翻す」の意味・読み・例文・類語

ひる‐がえ・す‥がへす【翻・飜・飄】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. ひらりと返す。さっとひっくりかえす。うらがえす。
    1. [初出の実例]「峯の嵐、声落ちて夕べの袖をひるがへし」(出典:海道記(1223頃)鎌倉遊覧)
  3. 身を躍らせて飛ばす。また、風が強く吹いて物をあおる。
    1. [初出の実例]「風白浪を飜す花千片、鴈清天に点ず字一行〈白居易〉」(出典:和漢朗詠集(1018頃)下)
  4. 旗や幟(のぼり)を立てて風にひらひらさせる。風になびかせる。ひらめかす。
    1. [初出の実例]「北の峯より赤旗三流、松の嵐に翻(ヒルガヘ)して」(出典太平記(14C後)五)
  5. 今までの態度や説を急に変える。今までと逆にする。反対にする。くつがえす。
    1. [初出の実例]「やみにまどへる心をひるがへす道なし」(出典:今鏡(1170)一〇)
  6. 原作をもとにしてその内容を作りかえる。
    1. [初出の実例]「其北州の道中を、文明開化の西洋風に、飜案(ヒルガヘ)したる当時の新聞」(出典:西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉四)

ほん‐・す【翻】

  1. 〘 他動詞 サ行変 〙 ( 「ぼんず」とも ) 翻訳する。訳す。
    1. [初出の実例]「仏は西天には仏陀耶と称す。震旦には覚と翻す、無上正等覚なり」(出典:正法眼蔵(1231‐53)帰依三宝)

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