デジタル大辞泉 「顔見せ」の意味・読み・例文・類語 かお‐みせ〔かほ‐〕【顔見せ/顔見世】 [名](スル)1 大ぜいの前に初めて顔を見せること。人前に出ること。2 (顔見世)遊女や芸者などが、初めて勤めに出るとき、揚屋や料亭などにあいさつして回ること。3 (顔見世)歌舞伎年中行事の一。江戸時代、年一度の各座の俳優の交代のあと、新規の顔ぶれで行う最初の興行。11月(京坂では宝暦期から12月)に行われ、江戸・京都・大坂でそれぞれのしきたりがあった。現在、本来の意義は失われたが、東京では11月、京都では12月にこの名の興行が行われる。顔見世芝居。顔見世興行。顔ぶれ。《季 冬》「―や子々孫々も此の桟敷さじき/太祇」 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「顔見せ」の意味・読み・例文・類語 かお‐みせかほ‥【顔見・顔見世】 〘 名詞 〙① 人に顔を見せること。特に、初めて大勢の人に顔を見せること。また、初めて人に会うこと。新人を紹介すること。かおぶれ。[初出の実例]「借屋之儀、借主より町へかほ見せとして弐十疋可レ被レ出レ之事」(出典:京三条衣棚南町文書‐慶長一〇年(1605)一〇月二日・京三条衣棚南町掟)② 遊女や芸妓などが、はじめて勤めに出るときに、客や揚げ屋などをまわって顔を見せ挨拶(あいさつ)すること。[初出の実例]「けふ突出しの妹(いもと)女郎、唐琴を引連れて揚屋揚屋を顔見せと」(出典:浄瑠璃・傾城島原蛙合戦(1719)二)③ 「かおみせきょうげん(顔見世狂言)」「かおみせしばい(顔見世芝居)」の略。《 季語・冬 》[初出の実例]「目にみへぬ鬼神を和らげ〈略〉夫婦の情しる事も今顔見せの一徳なり」(出典:評判記・難波立聞昔語(1686)序) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例