…またこれに,蒔絵(まきえ)や螺鈿(らでん)などで精巧な装飾文をほどこしたものや,春慶塗などのものもある。〈重箱〉の名は室町時代の饅頭屋本(まんじゆうやぼん)《節用集》に見え,《好古日録》に記されるように,直接的には重ねの食籠(じきろう)から転じたものと思われる。しかし器形や木組みの手法などは,むしろ法華経や最勝王経など数そろいの巻子経を納置するために平安時代から多用されてきた重ね経箱と軌を一にするもので,このような伝統的な重ね箱の形成が生活用具としての重箱の形式に範とされたに違いない。…
※「食籠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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