四角(読み)しかく

精選版 日本国語大辞典 「四角」の意味・読み・例文・類語

し‐かく【四角】

〘名〙
四方のすみ。四方のかど。よすみ。
内裏式(833)七日会式「左右衛門樹梅柳於舞台之四角及三面」 〔礼記注‐壇弓上〕
② (形動) 四隅に角(かど)があること。また、その形。四角形。また、かどばっていることや、そのさま。
信長公記(1598)一五「御装束、京染の御小袖、御頭巾、御笠、少し上へ長く四角なり」
洒落本辰巳之園(1770)「元結を四角(シカク)に巻」
③ (形動) 厳格なこと。まじめで堅苦しいこと。堅苦しくて面白みのないこと。また、そのさま。四角四面。
※洒落本・富岡八幡鐘(1802)茶屋の段「四角なしゃれをいふ」

しかく‐・い【四角】

〘形口〙 (名詞しかく(四角)」の形容詞化)
① 四角な形である。
※あきらめ(1911)〈田村俊子〉三「看板が、四角く白く勾配になってゐる」
② かたくるしくかしこまったさまである。
※竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈長与善郎〉竹沢先生と赤い月「きちんとした清楚な座敷のかしこまり方に思はず釣られて申し合せたやうに四人が四角く坐った時」

よつ‐かど【四角】

〘名〙
四つの角。四方のすみ。
二本道路が交わっている所。四つ辻
随筆守貞漫稿(1837‐53)二「阡陌 京坂に四辻と云、江戸四つ角と云。乃十字街也」

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デジタル大辞泉 「四角」の意味・読み・例文・類語

し‐かく【四角】

[名・形動]
正方形長方形などのように、四隅にかどのある形。四辺形。四角形。また、そのようなさま。「四角な(の)折り紙」「四角
角ばっていること。また、そのようなさま。「四角な顔」
人の態度・行動などが、型にはまって堅苦しいこと。また、そのようなさま。「四角にかしこまる」
[類語](1四角形四辺形方形ほうけい角形かくがた升形ますがた正方形長方形矩形くけい

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普及版 字通 「四角」の読み・字形・画数・意味

【四角】しかく

四すみ。

字通「四」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の四角の言及

【方位】より

…西北風をアナジとかタマカゼと称し,悪霊とともに善神も来る両義的な方位とし,屋敷では稲荷をまつる。以上の3方位に辰巳(たつみ)(東南)を加えて四角(しかく),四隅(しぐう),あるいは四維(しい)と呼び,それぞれ艮(うしとら),坤(ひつじさる),乾(いぬい),巽(たつみ)の字をあてる。 また,神聖な方位には,恵方(えほう)(明きの方)があり,新しい年神,歳徳神を迎える方位で,年神棚,門松,若水汲み,鍬始めはその方位を意識している。…

※「四角」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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