骨炭(読み)コッタン

デジタル大辞泉 「骨炭」の意味・読み・例文・類語

こっ‐たん【骨炭】

動物の骨を乾留して得る炭素質の粉。主成分燐酸りんさんカルシウム。吸着性があるので脱色剤などに用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「骨炭」の意味・読み・例文・類語

こっ‐たん【骨炭】

  1. 〘 名詞 〙 活性炭一つ。牛などの骨を、空気を断って、加熱分解してつくった炭。炭素、燐酸カルシウムなどが主成分。脱色性、吸着性が強く、製糖工業で精製脱色剤として用いられる。
    1. [初出の実例]「且つ其砂糖を清浄にするには骨炭(コッタン)で漉せば」(出典福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉始めて亜米利加に渡る)

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百科事典マイペディア 「骨炭」の意味・わかりやすい解説

骨炭【こったん】

獣骨乾留して得られる黒色多孔質粉末。炭素含有量10〜15%で,主成分はリン酸カルシウム活性炭に似た性質もち,吸着力が大きく,製糖工場などで糖液の脱色,精糖に使用されるほか,黒色顔料としても利用される。→脱色剤

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「骨炭」の意味・わかりやすい解説

骨炭
こつたん
bone black

活性炭の一種。主成分はリン酸カルシウム。動物の骨を空気を断って加熱分解してつくったもので,脱色力がすぐれている。砂糖の精製に用いる。なお,使用済みの骨炭はリン酸肥料として利用される。

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岩石学辞典 「骨炭」の解説

骨炭

硬い燭炭(cannel coal)に似た石炭.燭炭は油性の強い緻密な石炭ですぐ燃える.または石炭の頁岩状割れ目[Tomkeieff : 1954, ランダムハウス : 1994].

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栄養・生化学辞典 「骨炭」の解説

骨炭

 活性炭の一種で,骨を炭化して作る.

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世界大百科事典(旧版)内の骨炭の言及

【活性炭】より

…また医薬用として,整腸,解毒の目的にも用いられる。 特殊な吸着剤として,活性炭に類似した性質を示す骨炭がある。獣骨を乾留して生ずる,主成分としてリン酸カルシウムと10%程度の炭素を含む炭で,イオン交換と吸着の両方の効果により糖液の脱色・精製に有効である。…

【骨】より

…このような病気を骨粗鬆症(こつそしようしよう)という。【田隅 本生】【藤田 恒夫】
【家畜の骨の利用】
 骨は昔から広く用いられた畜産副生物の一つであり,骨脂(牛脚油(ぎゆうきやくゆ)),にかわゼラチン,骨粉,骨炭などの製造原料である。骨組織の主要成分は,リン酸カルシウムからなる海綿状の組織中に保持されているタンパク質(コラーゲンと同質でオセインと呼ばれる)と,骨髄中の脂肪である。…

※「骨炭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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