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骨相学 こっそうがくphrenology

翻訳|phrenology

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

骨相学
こっそうがく
phrenology

頭蓋の外形から本人の性格や能力を判断しようとする学説。 F.ガルが創始した。ガルは,大脳表面の一定領域が一定の性格あるいは才能を支配し,各部分の発達の度合いがその部分の能力の度合いを示すこと,脳の形状は頭蓋骨の形に反映するので,頭蓋骨の大きさ,形状から脳の種々の領域の発達の度合いを知ることができることを唱えた。そして頭蓋表面を 27に区分して,それぞれ心的特性を割当てた。この説が骨相学の始りとなり,一時欧米に隆盛をきわめた。大脳機能局在説は解剖学,大脳生理学などの発達によって発展をみたが,骨相学のほうはその後,非合理な説として発展していない。

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デジタル大辞泉の解説

こっそう‐がく〔コツサウ‐〕【骨相学】

心的能力は心の器官である大脳の一領域に存在すると考え、頭蓋の形状からその人の性格や心的特性を知ることができるとする説。オーストリアのガルが唱え、ドイツのシュプルツハイムが命名。性相学。フレノロジー。

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百科事典マイペディアの解説

骨相学【こっそうがく】

ドイツの解剖学者F.J.ガルが創始。各種精神作用が大脳皮質の一定領域に局在し,その発達程度によって頭蓋に隆起や陥没が生じると考え,頭蓋を観察することにより,その発達程度を知ることができると主唱した。
→関連項目人相学

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世界大百科事典 第2版の解説

こっそうがく【骨相学 phrenology】

頭蓋の外形をみればその人の性格や精神的特性がわかるという学説で,19世紀前半の欧米で大いに流行した。創始者はドイツで生まれウィーンで開業していた医師F.J.ガルで,彼はイタリアの解剖学者モルガーニの影響下に,幼児や成人の正常脳,各種の病気の人の脳,天才人の脳,動物の脳などを比較研究し,脳内にさまざまな〈器官〉を発見し,これにもとづいて独特の〈器官学Organologie〉を打ち立てた。この理論の概略は,(1)脳は精神の器官であり,(2)精神はそれぞれ独立した機能に分かれ,(3)これらの機能は脳の皮質に座をもち,(4)頭蓋骨の形と脳皮質の形との相関はきわめて高く,(5)したがって,頭蓋骨の輪郭と精神機能の特性との間には密接な対応がある,の5項目に尽くされる。

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大辞林 第三版の解説

こっそうがく【骨相学】

頭部の骨相をみて、その人の性格・運命を判断する占い。性相学。骨相論。観相学。フレノロジー。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

骨相学
こっそうがく
phrenology

頭骨の形状から、その人の性格その他の心的特性を推定できるという考え。脳は心の器官であるという考えは古くからあったが、オーストリアの解剖学者フランツ・ジョセフ・ガルFranz Joseph Gall(1758―1828)は、人間の心的特性はそれぞれ独立した機能に分けることができ、それらは脳の各部位に定位していると考えた。大脳のそれぞれの部位の発達の程度がそこの心的機能の働きの程度を示しており、大脳を包む頭骨の形状によってその下の脳の部位の発達状況を知ることができ、したがって心的特性を推定できるとした(1796)。ドイツのシュプルツハイムJohann Casper Spurzheim(1776―1832)はこれを骨相学と名づけた。両人は協力して研究を進め、神経系の生理と解剖に関する本『Anatomie et physiologie du systme nerveux en gnral et du cerveau en particulier』全4巻(1810~20)を著し、そのなかで心的機能を35に分け、それらが大脳表面の各部位に定位されることを示した。しかし、オーストリア政府によりその普及が禁止されたため、両人はフランスやイギリスなどを講演して回った。
 骨相学は有識者の支持を得、各国に協会がつくられ専門の雑誌も発行され、イギリスでは『Phrenological Journal』が発行され1847年まで続いた。しかし、骨相学は真に科学的な根拠を欠くため、30年ほどの隆盛の時期を経たのちにその運動は消滅した。ただ、ガルの考えは、その後の大脳機能局在説の先駆をなすものといわれている。[大谷宗司]

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世界大百科事典内の骨相学の言及

【占い】より

…そうした傾向は近世に入ってさらに促進され,多くの予言者,占星術師,神秘家が登場するが,なかでも16世紀にシャルル9世の侍医をつとめたノストラダムスは有名である。 近世以降にも,ラーファター,F.J.ガルなどが登場し,人相学,骨相学はさらなる発展を示すわけであるが,それは同時に占いから宗教的側面が失われ,世俗化・遊戯化していくプロセスとも言えよう。だが,ホロスコープやタロットによる占い,筆跡判断などが現在でも周期的に流行を繰り返していることからみても,占いには人間の精神の働きと結びつく何かが隠されているのではないかと思われる。…

【ガル】より

…07年パリに移り,解剖学者シュプルツハイムJohann Christian Spurzheim(1776‐1832)と連名で主著《神経系,とくに脳の解剖学と生理学》(1810‐19)を刊行した。シュプルツハイムは頭蓋の骨相によって人の善悪・賢愚を判定できる〈骨相学Phrenologie〉と銘打って宣伝,一般大衆の注目を浴び,欧米各地に協会が設立された。学界も賛否両論に分かれたが,ガルの死後〈骨相学〉は弟子により愚劣化したため,ガル本人まで汚名を着せられ,脳神経に関する業績も過小評価されるに至った。…

【人相学】より

…もっとも,I.カントは《実用的見地における人間学》の中で観相学的な性格論を肯定しながらも学問たりえないとし,ポルタやラーファターの説を否定している。 19世紀初めには医師F.J.ガルによる骨相学が現れた。彼は脳に気質や能力に対応する27個の〈器官〉を定め,それらは脳の表面に盛り上がっていて頭蓋骨を隆起させるから,頭をよく観察すれば気質や能力の発達程度がわかると考えた。…

※「骨相学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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