高橋神社(読み)たかはしじんじや

日本歴史地名大系 「高橋神社」の解説

高橋神社
たかはしじんじや

[現在地名]奈良市八条町

八条はちじよう町の北はずれ、こも川と佐保さほ川の合流点(字コモ川明神)より二〇〇メートルほど南に鎮座する。旧村社。祭神栲幡千千姫たくはたちぢひめ命。伝承によると、もとは現在地より少し北にあったが、戦国時代松永久秀によって焼かれ、現在地に移されたという。境内には高橋神社と刻んだ文化一三年(一八一六)石柱と、江戸時代初期を下らないと思われる高橋と刻んだ安山岩質の石柱残欠がある。祭神は栲幡千千姫命であるが、小祠には陶製雌雄一対の白狐の像を祀ってある。「延喜式」神名帳に添上そえかみ郡「高橋神社」がみえ、「大和志」は「在八条村薦枕川東」として当社にあてるが、「大和志料」は春日氷室ひむろ神社(現奈良市)が古く高橋氷室神社と称していたことから氷室社とし、また「神祇志料」には「今八条村高橋にあり。

高橋神社
たかはしじんじや

[現在地名]和歌山市岩橋

紀伊風土記の丘の北方に位置する。祭神は饒速日にぎはやひ尊・火明ほあかり神。旧村社。「紀伊国神名帳」に「正一位高橋大神」とみえる。江戸時代は岩橋いわせ村一〇集落の産土神であった。俗に笛不ふえふかず明神といわれ、境内では笛を吹くことが禁止されていたという。「続風土記」は、「新撰姓氏録」が饒速日尊を高橋姓の祖とし、火明命を笛吹姓の祖とすることと、「先代旧事本紀」が饒速日尊と火明神が同一神であるとすることから、高橋・笛吹の両姓の者が同祖を祀り、一方で高橋社、もう一方で笛吹ふえふき社と称したとする。また笛吹社では笛を吹くことを禁じたため笛不吹明神となったとする。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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