精選版 日本国語大辞典 「鰓脚類」の意味・読み・例文・類語
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薄い分枝した葉状の遊泳脚をもつ原始的な小型甲殻類で,鰓脚亜綱Branchiopodaに属するものの総称。おもに淡水産であるが,少数の海産の種類も含む。胴節に形態的分化がほとんど見られないことなどから,現生の甲殻類のうちではカシラエビ類に次いで原始的であると考えられている。葉状の遊泳脚にはえらを備え,同時に呼吸器としての役割も果たしている。背甲は無甲類を除き発達している。通常ノープリウス眼のほかに複眼をもち,複眼は有柄か,または皮下に埋もれている。葉状の遊泳脚のある体前部を胸部,無肢の体後部を腹部と呼んでいる。腹部の末端には尾叉(びさ)がある。幼生はノープリウス期,またはメタノープリウス期で孵化(ふか)する。約800種が知られ,無甲目Anostraca(ホウネンエビ,アルテミア),背甲目Notostraca(カブトエビ),貝甲目Conchostraca(カイエビ),枝角目Cladocera(ミジンコ)の4目に分類されている。
執筆者:蒲生 重男
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