改訂新版 世界大百科事典 「鳥形山鉱山」の意味・わかりやすい解説
鳥形山鉱山 (とりがたやまこうざん)
高知県の西部,愛媛県境に近い鳥形山山塊の石灰岩を採掘する石灰石鉱山。上部秩父古生層に属する厚さ300~500mの石灰岩層で,十数億tの鉱量があるとされている。かつては1459mあった山頂から階段式採掘法によって採掘が始まり,採掘ベンチはすでに1300m以下にまで下がってきている。1971年に本格的出鉱を開始した比較的新しい鉱山で,大型の機械類を使用して高能率の採掘を行っている。採掘された石灰石は23kmの区間をつなぐ長距離ベルトコンベヤで高知県須崎市に近い海岸に運び下ろされ,製鉄用,セメント用に出荷されている。年間生産量は約1400万tで,これは生産量において日本第1位である。
執筆者:山口 梅太郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報