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鳥料理 とりりょうり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

鳥料理
とりりょうり

鶏を主材料とする料理。かも,きじ,その他小鳥を用いることもある。一般に味が淡泊で,脂肪が少く日本料理に合い,ほとんどすべての部位を食用とできるのが特徴である。日本料理には,汁物,蒸し物焼き物揚げ物,刺身,和え物などの調理法があり,鳥鍋水炊焼鳥,親子どんぶりなどが愛好されている。中国料理には,湯菜,炒菜,炸菜,蒸菜などがあり,西洋料理では,肉料理と同様な調理法がなされ,豪華な盛りつけで供される。カツレツチキンライス,チキングラタンなどは日本でも広く親しまれている。

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世界大百科事典 第2版の解説

とりりょうり【鳥料理】

鳥類の肉を主材料とする料理。現在の日本では狩猟法によって野鳥の捕獲が制限され,ふつう食用とされるのは,家禽(かきん)では鶏,アイガモ,アヒル,シチメンチョウウズラなど,野鳥ではキジ,ヤマドリコジュケイ,カモ類,シギ類,スズメなどで,鳥料理の主体は鶏肉を使うものとなっている。鶏肉の和風料理としては,水炊き,すき焼などのなべ料理のほか,焼鳥,とりわさ,いり鳥,つくねなどにする。焼鳥は適宜に切った肉を竹串にさすなどして,たれをつけ,あるいは塩を振って直火(じかび)で焼く。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

鳥料理
とりりょうり

鳥肉を主材料とする料理。食用となる鳥には家禽(かきん)と野鳥とがあり、前者にはニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ハト、ウズラなど、後者にはカモ、キジ、ヤマドリ、スズメ、シギなどがある。なお、日本では野鳥の捕獲が、狩猟法により禁止あるいは制限されているので注意が必要である。[河野友美・大滝 緑]

歴史

鳥肉利用の歴史は非常に古いと考えられる。鳥類は人類の発生よりはるか以前に存在し、魚貝類とともにもっともとらえやすい重要なタンパク源であったと思われる。新大陸アメリカに移住した清教徒(ピューリタン)たちは、体が大きく逃げ足の遅いシチメンチョウをとらえて主要な食料としていたが、こうした事例は人類の祖先の同様な行動を思わせる。収穫祭において、アメリカでとくにシチメンチョウを重視するのは、それが生命の恩人的存在であることによる。『旧約聖書』の「出エジプト記」には、モーセに率いられてエジプトを脱出したイスラエルの人々が荒れ地で飢えていたとき、神はウズラの大群を与えてこれを救ったと記されている。またローマ時代には、市民の食膳(しょくぜん)にクロヅル、ニワトリ、クジャク、ガチョウなどの料理が供されていたという。家禽は野生の鳥を飼いならしたものであるが、もっとも古い歴史をもつのはガチョウといわれる。エジプトでは紀元前2800年ごろすでに肉用として飼育され、ヨーロッパでも前388年ローマで飼育されていたという記録が残されている。
 日本では、古くから野生のキジが食用とされ、奈良時代には鳥肉中最高のものとされていた。干し肉や塩漬けのほか鱠(なます)にしても用いられていた。しかしニワトリは肉も卵も、宮中では食用を禁じられていた。ニワトリは闘鶏用あるいは時を告げる鳥として飼われていたのであり、また神聖視されたこともあって、鶏肉(けいにく)が料理に用いられるようになるのは江戸時代以降のことである。江戸時代には将軍家をはじめ各大名が鷹狩(たかがり)を好み、とくにツルは最高の獲物とされた。正月には将軍家から宮中へツルの献上があり、その料理にも「鶴(つる)の包丁」と称する秘伝が各流派にあった。ガンの肉も賞味され、将軍家は「初雁(はつかり)」を宮中に献上した。『本朝食鑑(ほんちょうしょっかん)』には「鶴・鵠(くぐい)(白鳥)に次いで雁(がん)を賞す」とある。[河野友美・大滝 緑]

料理の種類

鳥料理としてもっとも一般的なものは鶏肉料理である。飼育方法が進歩し、大量に安価に供給されているためである。鶏肉料理としては和洋ともに幅広いが、日本ではその肉の淡泊さが口にあうためか、畜肉より古くからかなり多く利用されてきた。代表的なものとしては、和風では、竜田揚げ、焼き鳥、つくね、筑前(ちくぜん)煮、博多(はかた)水炊(た)きなどをはじめ、鍋(なべ)料理や茶碗(ちゃわん)蒸し、煮しめ、親子丼(どんぶり)、チキンライスなどにも幅広く利用されている。洋風料理では、ガランティン、ブロシェット、クネル、ロースト、タンドリチキン、フライ、カレー、中国料理では白切鶏(パイチエチー)、から揚げ、衣揚げ、丸揚げ、蒸し鳥、煮込みなどがある。
 とくに、鶏肉のなかでも「ささみ」とよばれる部分は、脂肪分がほとんどないため、脂質異常症の人にもよく用いられる。しかし、脂肪が少ないとこくがないため、さっと湯通しした程度の霜降りにして、わさびじょうゆで食べるなど、調理法はかなり限定される。
 世界的によくつくられるのは鶏を蒸し焼きにするローストチキンで、鶏肉全体、あるいはもも肉などが用いられる。[河野友美・大滝 緑]

調理法

鳥類は、それぞれ肉質に差がある。同じ鶏肉でも、部位により、脂肪分や味に差があり、また若鳥や老鶏でも味が異なるうえ、肉用種、肉卵兼用種、卵用種でも大きく味が異なる。家禽では飼育方法による差が大きく、また野生種では捕獲期による差も大きい。このような素材の味の違いにより、調理法に変化をつけることが望ましい。もっともよく食べられている鶏肉では、短期に肥育したものは味が淡泊であるため、油を使用して揚げたり、水分を減らすためにじっくり焼いたりすると味のよい料理になる。[河野友美・大滝 緑]

各種の鳥料理

鶏肉以外の鳥類を用いた鳥料理もいろいろある。欧米で祝い事に用いられるシチメンチョウは大味であるが、肉量が多く、また、清教徒の生命を支えたことなどからの意味もあって、よく使用される。代表的なものは、全体を焼いたローストターキーで、身を薄くそぎ、ソース類を添えて食べる。脂肪分が少なく、味は非常に淡泊である。このほか、ブレゼ(蒸し煮)、クリーム煮などにされる。
 ウズラは、肉部分は少ないが、骨まで食べることができ、味も濃厚である。肉も骨もともによくたたいて団子にし、汁物にしたり、揚げたりする。また、みりんじょうゆで焼き鳥風に調理することもある。洋風では蒸し焼き、衣焼き、中国風ではスープ、蒸し物、丸揚げなどにされる。
 カモも広く料理にされる鳥で、日本でも江戸時代から鴨場(かもば)などをつくり、とらえて調理してきた。カモは各国とも高級料理として取り扱われ、日本ではかも鍋、かも汁、かも雑煮などが、欧米ではカモのローストがよくつくられる。
 カモを飼いならしたのがアヒルで、フランスや中国ではアヒルの料理が多い。とくに中国のアヒルの代表的な料理として鴨子(カオヤーツ)があり、よくあぶった皮がおいしいとされている。洋風料理ではおもにシチューやローストに用いる。
 ガチョウもヨーロッパでは重要な鳥料理の材料で、肥育したガチョウの肝はフォアグラといって喜ばれている。パイ、テリーヌ、ソーセージなどにつくられるが、なかでもパテ・ド・フォアグラが有名である。
 そのほか、キジは日本でも古くから食べられてきた鳥で、和風ではきじ飯、丸蒸し、みそ漬けなどの料理がある。ハトは日本ではほとんど料理にしないが、欧米では家禽の一種として食用バトが飼育され、料理もロースト、蒸し焼き、ソテーなどにして食べられる。ツグミはかつて日本で美味とされたが、いまは禁鳥で食べることはできない。スズメは焼き鳥として、骨ごとみりんじょうゆでつけ焼きにして食べる。特有なうま味と歯ざわりがある。とくに寒スズメは味がよいとされている。ヤマドリはキジに似ていて、キジとほとんど似た食べ方である。近年は、いままであまり食べていなかったホロホロチョウなども家禽として飼育されている。鶏肉にしても、一代雑種の研究が進み、新しい品種ができ、味も変化しつつある。[河野友美・大滝 緑]

かしわ

現在は、かしわということばはほとんど使われていないが、もともとは鶏肉をかしわとよぶことが多かった。これは、古く中国から移入された黄鶏(きどり)がかしわとよばれ、一時、ニワトリの代名詞のように使われたからである。黄鶏は早くから関西のニワトリの代表種となったが、やがて関東にも入り、ほとんど全国に行き渡った。羽毛が柏(かしわ)の色に似ていることから、かしわと呼んだらしい。[河野友美・大滝 緑]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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