デジタル大辞泉
「鶴見区」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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鶴見区
つるみく
面積:三一・一一平方キロ
横浜市の東北端に位置する。東南は東京湾に臨み、北境から東部中央を鶴見川が南流する。鶴見川の東側は氾濫原をなし、西北部は多摩丘陵に連なり、末吉台地・梶山台地・寺尾台地など標高三〇―四〇メートルの舌状台地があり、寺谷・岸谷・池谷・馬場谷・大入谷・綿内谷などの浸食谷がみられる。東部海岸沿いには江戸時代後期に始まった埋立地があり、さらにその南部および西部海岸の埋立が進行している。東は川崎市川崎区、北は同市幸区、西は港北区、西南は神奈川区に接する。
〔原始・古代〕
梶山・上末吉周辺の丘陵崖面に関東ローム層の露頭がみられ、約一五万年前に形成された下末吉ローム層がよく見受けられる。岸谷および三ッ池で下末吉ローム層とその上層の武蔵野ローム層よりナウマン象の化石が発見されている。縄文時代には鶴見川の西側台地上に前期の梶山遺跡・風早台遺跡、中期の上台貝塚・別所貝塚・下末吉遺跡、後期の小仙塚貝塚などがある。弥生時代には上台北・二ッ池遺跡などがあり、村の形成がうかがわれる。六世紀後半には瓢箪山(駒岡山・岩瀬山)古墳や三ッ池古墳などの古墳や群集墳が築造された。寺尾台地の丘陵上には火葬墓が発見され、仏教の浸透がみられる。古代は「和名抄」にみえる久良郡諸岡郷に、獅子ヶ谷・寺尾・馬場・駒岡・末吉・生麦などの区西北部が含まれていたとされている。
〔中世〕
「吾妻鏡」にみえる潮田四郎太郎や寺尾又太郎、あるいは鶴見平治らはそれぞれ潮田・寺尾・鶴見を名字の地とする武士であろうか。寿永二年(一一八三)二月二七日源頼朝が鎌倉鶴岡八幡新宮若宮領として寄進した「武蔵国師岡保内大山郷」(県史一)は鶴見に比定される。「吾妻鏡」仁治二年(一二四一)一〇月二二日条に、将軍藤原頼経が武蔵野水田開発を命ずるにあたり、秋田城介義景所領の「鶴見郷」に方違をしたとある。
鶴見区
つるみく
面積:八・一〇平方キロ
大阪市最東部に位置し、北・東・南は守口・門真・大東・東大阪の各市に接し、西は府主要地方道大阪内環状線で城東区に接する。旧摂津国と河内国にまたがり、沖積層からなる平坦地で近世まで低湿地であった。ほぼ中央を西流する寝屋川に、東部を南流する古川と、中央を南下した三荘用排水路が合流する。また区南端を第二寝屋川が流れ、東大阪市との境を国鉄片町線が通り、東端近くを中央環状線および近畿自動車道が縦断、ほぼ中央を東西に大阪―生駒線(阪奈道路)が通る。北部には昭和四五年(一九七〇)から鶴見緑地公園が造成され、市民の憩の場となった。区名は北西部下辻辺りを鶴見と称したとの伝えによる。鎌倉時代、源頼朝が富士の巻狩の際千羽の鶴に金の短冊をつけて放ったところ当地に飛来し、これを見物に来る者が多かったので「鶴見」の称が起こったとも、摂河国境剣堤からの転訛であるともいう。
〔原始・古代〕
河内潟水辺にあった当区も弥生時代頃には一部が陸地化しつつあったと考えられ、北東部の茨田安田遺跡からは弥生式土器が出土している。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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鶴見〔区〕
つるみ
神奈川県東部,横浜市北東部の区。 1927年区制。かつては窪地や水たまりが多く,ツルが多く生息していたことが地名の由来とされる。西部は多摩丘陵南端の下末吉台地,東部は鶴見川の下流平野で,東京湾岸には埋立て地が広がる。沖積地には工場,住宅が密集し,埋立て地には造船,自動車,電機,鉄鋼,機械,精油,ガス,化学,食品などの大工場や火力発電所があって,ともに京浜工業地帯の中枢部をなす。臨海工場はそれぞれ専用の埠頭をもつ。台地上は宅地化が著しい。中部の鶴見に曹洞宗大本山総持寺,西部には3ヵ所の溜池を中心とする三ッ池公園がある。 JR東海道本線,鶴見線,横須賀線,南部線,京浜急行電鉄,首都高速横羽線,大黒線,第一,第二京浜 (国道 15号線,1号線) が通る。大黒埠頭と本牧埠頭が横浜ベイブリッジで結ばれ,89年首都高速湾岸線が開通した。面積 33.23km2。人口 29万7437(2020)。
鶴見〔区〕
つるみ
大阪市北東部の区。 1974年城東区の東半分を分離して新設。淀川支流の古川と寝屋川が流れる低湿地で,かつてはレンコンの産地として知られたが,55年大阪市域に編入され,70年大阪中央環状線が開通してから工場や住宅が急増。寝屋川沿い付近には石鹸,塗料,電線,チェーン,電気器具などの工場が多い。東部を近畿自動車道と大阪中央環状線が通る。北部に鶴見緑地があり地下鉄鶴見緑地線が通り,区の南端を JR片町線 (学研都市線) が通る。面積 8.17km2。人口 11万2691(2020)。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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