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麦角 ばっかくergot

翻訳|ergot

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

麦角
ばっかく
ergot

バッカクキンがイネ科の植物,特にライムギの穂に寄生して,かつお節形の菌核となったもの。長さ 3cm,幅 5mmぐらいになる。外面は紫色で毒性が強い。麦角を含有している麦粉を食べると中毒症状を呈する。特有の麦角アルカロイドは 12種 (エルゴバシン,エルゴトキシンエルゴタミンの3群) が検出されている。このアルカロイドからサイケデリック剤のリゼルギン酸 (LSD) がつくられる。漢方では落穂前に採取して止血薬に用いるが,産科の領域でも平滑筋収縮を応用して陣痛促進や子宮収縮に用いている。クロロホルムで浸出してできる赤褐色のエキスを麦角エキスといい,古くから医用に供されている。

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デジタル大辞泉の解説

ばっ‐かく〔バク‐〕【麦角】

麦角菌が麦類の穂に寄生してつくる菌核。長さ約1~3センチの角(つの)状で表面は紫黒色。アルカロイドを含み有毒。陣痛促進・子宮止血剤に使用。

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百科事典マイペディアの解説

麦角【ばっかく】

コムギやライムギなど多くのイネ科植物の穂に寄生する麦角菌の菌核。主要成分はエルゴメトリン,エルゴタミンなどのアルカロイドで,麦角を多量に含む飼料を与えるとウシやウマは中毒を起こす。
→関連項目生薬ライムギ

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栄養・生化学辞典の解説

麦角

 ライムギの穂に寄生する子嚢菌門核菌類ボタンタケ目バッカクキン属の菌[Claviceps purpurea]の菌核.種々の有害成分を作る.

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世界大百科事典 第2版の解説

ばっかく【麦角 ergot】

コムギ,ライムギ,ペレニアルライグラスダリスグラスカモジグサなど多くのイネ科植物の穂の部分に突出している固い舌状の褐色組織。麦角は菌核の一つで,バッカクキン(麦角菌)Claviceps purpureaなどクラビケプス属の子囊菌が寄生して小穂の中に菌糸がまんえんすると,子房の部分を肥大させて菌とともに白い軟質塊を形成する。これがしだいに堅く褐色になって菌核(長さ1~3cm,直径2~4cm)ができ上がる。

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大辞林 第三版の解説

ばっかく【麦角】

ライ麦や大麦などの子房に寄生した麦角菌の菌核、またはその乾燥物。暗紫色。エルゴメトリン・エルゴタミンなどのアルカロイドを含み、子宮筋収縮作用がある。陣痛促進、分娩後の子宮収縮および出血防止などに用いる。

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世界大百科事典内の麦角の言及

【LSD】より

麦につくカビの一種麦角(ばつかく)から分離された精神異常発現物質。リゼルグ酸ジエチルアミドのドイツ語名d‐Lysergsäurediäthylamidの略。…

【漢方薬】より

…たとえば,ゲンノショウコ,ドクダミ等は広く日本の民間で用いられているが,使用法は漢方の場合とまったく異なるので通常,漢方薬には含めず,民間薬として区分する。また,ウワウルシ,ゲンチアナ,ジギタリス,麦角等は西洋医学では古くから用いられてきた生薬であるが,漢方薬ではない。要するに後述するような漢方医学の理論にのっとって用いられる生薬が漢方薬である。…

【子宮収縮薬】より

…分娩の誘発または産後の子宮収縮・止血のために,子宮筋を収縮させる目的で用いられる薬物。脳下垂体後葉ホルモンと麦角アルカロイド製剤が用いられるが,最近になってプロスタグランジンも用いられるようになった。脳下垂体後葉ホルモンのうちオキシトシンは,9個のアミノ酸からなるペプチドで,子宮収縮作用が強く(似た構造をもつバソプレシンは血圧上昇作用および抗利尿作用が強い),陣痛の弱いときに分娩促進薬として繁用される。…

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