エルゴメトリン(英語表記)ergometrine

翻訳|ergometrine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エルゴメトリン」の意味・わかりやすい解説

エルゴメトリン
ergometrine

エルゴノビンともいう。子宮収縮止血剤。麦角から抽出されるアルカロイド一種で,子宮収縮作用が強い。子宮平滑筋に直接作用してすみやかに収縮させるが,その収縮は律動的で,持続性がある。他の麦角アルカロイドと異なって交感神経遮断作用はなく,毒性も低い。おもに分娩後,子宮の緊張が低下した状態に用いられる。子宮を収縮させると同時に胎盤剥離を容易にし,出血を減少させる作用もある。経口投与も可能である。悪心,吐き気めまい耳鳴りなどの副作用が起ることがある。マレイン酸エルゴメトリンはエルゴメトリンの半合成誘導体で,エルゴメトリンより強力な子宮収縮作用を有し,エルゴメトリンと同様の目的で使用される。副作用はほとんどない。

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