六訂版 家庭医学大全科 「黄斑円孔」の解説
黄斑円孔
おうはんえんこう
Macular hole
(眼の病気)
どんな病気か
眼底の中心にある黄斑部の
15年ほど前までは治療不可能とされていましたが、最近では手術でほとんど黄斑円孔は閉鎖することができるようになっています。高齢者に多い病気ですが、眼の打撲などで若い人にも起こることがあります。
原因は何か
眼の老化、とくに
症状の現れ方
多くの場合、
視力は初期には比較的良好ですが、進行するにつれて下がっていき、最終的には0.1~0.2程度まで低下します。
検査と診断
眼底検査で一目
黄斑円孔は、かつては中心部の網膜がくり抜かれてできると考えられていました。しかし、今では針で突いたような小さな孔が周囲に拡大したものであることがわかっています。
治療の方法
ごくまれに自然に治ることがありますが、一般的には硝子体手術が唯一の治療法です。手術で最も重要なポイントは、
手術では眼のなかに気体を注入するので、術後数日間はうつ伏せの体位をとらなくてはなりません。うつ伏せはかなりつらいようですが、今では手術によって90%以上は円孔が閉鎖するようになっていますから、がんばる甲斐はあります。円孔が閉鎖すると、直後から変視症は大幅に改善しますが、視力の回復はさまざまです。
病気に気づいたらどうする
早急に眼科専門医の診断を受ける必要があります。早く手術をするほど円孔が閉鎖する率は高く、視力の回復は良好です。
手術は一刻を争うわけではありませんが、早く手術を受けるに越したことはありません。時間がたちすぎると、円孔は閉鎖しても視力はあまり回復しません。
河野 眞一郎
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報