鼓詞(読み)こし(その他表記)gǔcí

改訂新版 世界大百科事典 「鼓詞」の意味・わかりやすい解説

鼓詞 (こし)
gǔcí

中国,明・清時代に北方で流行した語り物。南方に行われた弾詞とともに,中国の語り物を代表する。作品は賈鳧西(かふせい)《木皮散人鼓詞》などがある。また元・明時代の詞話とその系統を引くもの,さらに現在は大鼓及びその歌詞を指す。大鼓はおもに北方各地で民衆に親しまれ,小説や音楽と密接に結びついて発展し,芝居にも影響を与えた。清の中ごろより歌中心の短編が好まれ,演者は立って木や金属製のリズム楽器を手に歌の切れ目には太鼓を打つ。これらの伴奏には蛇皮線,胡弓などが用いられた。
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百科事典マイペディア 「鼓詞」の意味・わかりやすい解説

鼓詞【こし】

中国北方地域を中心に行われる語り物音楽。中国語ではグーツー。四胡(スーフー。胡琴参照)や大三弦が主要伴奏楽器。演唱者は自ら書鼓(シューグー。太鼓の一種)と板(バンカスタネットに似た楽器)を打ちながら歌う。歌が中心で,語りは二義的。河北省京韻大鼓(ジンユンダーグー)などがよく知られている。南方の弾詞(タンツー)とならぶ中国の代表的な語り物音楽。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鼓詞」の意味・わかりやすい解説

鼓詞
こし
Gu-ci

中国の歌物語芸能。小説的な題材もととした語りに流行歌を交え,伴奏の楽器として太鼓を用いて演じるもの。宋代に行われた記録があり,主として北方地方に流行した。

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