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胡琴 こきんhu-qin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

胡琴
こきん
hu-qin

中国および中国から日本に伝来した清楽 (しんがく) における弦楽器の名称。中国では,時代や場所によってこの名称の示す楽器に異同がある。 (1) 唐代では,胡人の弦楽器の意で,琵琶をさす。 (2) 元代もしくはそれ以前に,撥弦楽器の「火不思 (ほぶす) 」 (→クーブーズ ) ,あるいは擦弦楽器ラバーブを改造したと思われる蒙古起源の擦弦楽器で,匙形胴2弦のもの。 (3) 元代頃に擦弦楽器化した円筒胴2弦の奚琴を,明,清代に (2) を奚琴と称するようになるとともに,逆に胡琴と称した。 (4) 広義には,中国で行われる擦弦楽器の総称。「二胡」「四胡」「南胡」「提琴」「椀琴」「板胡」「椰胡」などの別があり,京劇に用いられるものは,特に「京胡」といったりもする。多くは竹製または木製の円筒形または八角形,あるいは椀形の半円球の胴で,これに棹を差込み,胴面には蛇皮を張り,2~4弦で,馬尾を束ねた弓で奏する。 (5) 日本に伝わった清楽では二胡をさし,四胡は大胡琴,椀形胴のものは提琴といって区別する。

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デジタル大辞泉の解説

こ‐きん【×胡琴】

琵琶(びわ)古称
中国の弦楽器で、胡弓の類の総称。形状材質などにより、二胡(にこ)・四胡(しこ)・京胡(きょうこ)・板胡(はんこ)・椰胡(やこ)・椀琴(わんきん)・提琴などがある。日本の清楽では二胡・四胡・提琴を用いる。

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百科事典マイペディアの解説

胡琴【こきん】

中国のリュート属擦弦楽器(いわゆる胡弓)の総称。中国語ではフーチン。元代(1271年―1368年)以前には,琵琶月琴などのリュート属撥弦楽器をも意味。18世紀以降は主として,京劇などの伴奏に使う京胡(ジンフー)を指す。京胡の棹と共鳴胴は竹製で,共鳴胴の一端にヘビの皮が張ってある。2弦で5度に調弦。その他の胡琴属の楽器には,二胡(アルフー)(2弦。木製。江南糸竹の主要楽器),四胡(スーフー)(複弦2コース。華北,東北および内蒙古で使用)などがある。
→関連項目鼓詞ダン・ニー(弾二)

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世界大百科事典 第2版の解説

こきん【胡琴 hú qín】

中国の2~4弦のリュート属の擦弦楽器(いわゆる胡弓)の総称(イラスト)。同時に京胡その他ある特定のタイプの胡弓を指す場合がある。唐・宋代では,北方および西方各民族から伝わった撥弦楽器(たとえば琵琶,忽雷(こつらい)など)を指した。現在の各種胡琴の直接の祖といわれるのは奚琴(けいきん)で,その擦弦楽器としての最も古い記録が《夢渓筆談》に見える。元代には燕楽に用いられた。現在の各種胡琴は,蛇皮あるいは板を張った共鳴胴に棹を差し込み,2~4弦を張り,弦のあいだにはさんだ馬尾の弓の張力を変えることで擦奏する。

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大辞林 第三版の解説

こきん【胡琴】

琵琶の古称。
中国の弓奏弦楽器(いわゆる胡弓)の類の総称。二胡にこ・京胡きようこ・板胡はんこ・椰胡やこ・高胡こうこ・椀琴わんきん・提琴ていきん・四胡しこなど、材質・形状・音域などの差異により多種多様。場合(時代・地域など)によってはその中の特定の1種を胡琴と呼ぶ。

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世界大百科事典内の胡琴の言及

【胡弓】より

…広義には東洋のリュート属擦弦楽器の総称で,中国の胡琴(こきん),朝鮮の奚琴(けいきん)なども含まれる(イラスト)。狭義には日本のものを指し,鼓弓,小弓とも書く。…

※「胡琴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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