日本大百科全書(ニッポニカ) 「龍山」の意味・わかりやすい解説
龍山
たつやま
静岡県西部、磐田郡(いわたぐん)にあった旧村名(龍山村(むら))。現在は浜松市天竜区(てんりゅうく)の南西部を占める一地区。天竜川中流の河谷筋に位置する。旧龍山村は2005年(平成17)周辺10市町とともに浜松市と合併。天竜川沿いに国道152号が通じる。赤石(あかいし)山系の高峻(こうしゅん)な山岳群に囲まれ、天竜奥三河(おくみかわ)国定公園の一部で、1886年(明治19)金原明善(きんぱらめいぜん)が始めた植林地、瀬尻国有林(せじりこくゆうりん)など面積の92%がスギ、ヒノキの人工林で占められている。天竜林業地帯の中枢地である。1958年(昭和33)秋葉ダム(あきはだむ)完成で、当時人口は5000を数えたが、その後は過疎化が急激に進み、1981年には過疎地域に指定された。
[川崎文昭]
『青山宏著『ある山村の革命――龍山村森林組合の記録』(1979・清文社)』▽『『龍山村史』(1980・龍山村)』