スプリングフィールド(英語表記)Springfield

翻訳|Springfield

デジタル大辞泉 「スプリングフィールド」の意味・読み・例文・類語

スプリングフィールド(Springfield)

米国イリノイ州中部の都市。同州の州都。サンガモン川沿いに位置する。小麦、大豆、トウモロコシなどを産する農業地帯の中心地。第16代大統領リンカーンゆかりの地で、邸宅、大統領博物館、墓地などがある。
米国ミズーリ州南西部の都市。オザーク高原に位置する。交通の要地、農畜産物の集散地として発展。ミズーリ州立大学が所在する。南北戦争の激戦地の一で、近郊に南北両軍の戦死者が眠る国立墓地がある。
米国オハイオ州南西部の都市。コロンバスの西約70キロメートルに位置する。周辺に農業地帯が広がる交通の要地で、農業機械、自動車、製紙などの工業により発展。ウッティンバーグ大学が所在。同州で唯一のフランク=ロイド=ライト設計の建物、ウエストコットハウスがある。
米国マサチューセッツ州南西部の都市。コネティカット川沿いに位置し、河港をもつ。18世紀末に同国初の兵器工場が置かれ、軍需産業を中心とする工業都市へと発展。バスケットボール発祥の地として知られ、バスケットボールの殿堂が所在。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スプリングフィールド」の意味・わかりやすい解説

スプリングフィールド(アメリカ合衆国、イリノイ州)
すぷりんぐふぃーるど
Springfield

アメリカ合衆国イリノイ州中部、サンガモン川沿岸にある同州の州都。人口11万1454(2000)。行政面ばかりでなく、同州の商業、医療の中心地でもあり、保険会社が集中する保険業の中心都市としても知られる。周辺は農業地帯が広がり、石炭産地がある。また工業も発達している。1818年に入植が始まり、32年に町制が敷かれた。1837年に州都の地位を確保できたのは、同市になじみの深いアブラハム・リンカーンの力によるところが大きく、その後の市の急速な発展には目を見張るものがある。リンカーンは37年から61年まで同市に住み、妻と3人の息子と一緒にオーク・リッジ墓地に埋葬されている。リンカーン・コレクションをもつ州立歴史図書館をはじめ、市内の至る所に彼を記念する建物、遺品が保存されており、彼の居住した家は、多くの遺品とともに殿堂として保存される。

[作野和世]


スプリングフィールド(アメリカ合衆国、マサチューセッツ州)
すぷりんぐふぃーるど
Springfield

アメリカ合衆国、マサチューセッツ州南西部、コネティカット川東岸の工業都市。人口15万2082(2000)。輸入港、交通の要地でもあり、工業の発達した活気のある都市である。同時に文化的にも優れ、落ち着きをみせる。工業は、化学、プラスチック、電機製品、玩具(がんぐ)製造や印刷業がその中心をなす。1636年に町が設立され、一時反奴隷制協同地下組織の本拠地となった。1794年から1966年までここにスプリングフィールド銃を製造した合衆国最古の兵器廠(しょう)が置かれ、都市の急速な発展を促す大きな要因となった。静かな美しい都市には森林公園や美術館、博物館などの施設も多く、スプリングフィールド大学が教育の中核となる。世界的に有名なメリアム社の『ウェブスター辞典』出版の地でもある。

[作野和世]


スプリングフィールド(アメリカ合衆国、オハイオ州)
すぷりんぐふぃーるど
Springfield

アメリカ合衆国、オハイオ州中西部の都市。人口6万5358(2000)。豊かな農業地帯を後背地にもち、交通の要地であり、工業も発達する。とくに1800年代末期に始まった農業機械・器具生産は、現在も同市の伝統産業および主産業として重要である。その他、紙、ゴム製品、鉄鋼製品や出版業、花卉(かき)栽培も盛ん。農業主体から工業化へ転換の契機となったのは、19世紀初期から中期にかけてのマイアミエリー運河、国道、鉄道の開通や工業原料入手が比較的容易であったことなどによる。

[作野和世]


スプリングフィールド(アメリカ合衆国、ミズーリ州)
すぷりんぐふぃーるど
Springfield

アメリカ合衆国、ミズーリ州南西部オザーク山地にある都市。人口15万1580(2000)。豊かな農業地帯にあり、また、穀物、野菜や畜産物などの集散地であるため、それら農産物の加工業が重要である。その他製粉業、衣料、家具製造などの工業の中心をなす。また、南北戦争の激戦地跡としても知られ、オザーク山地など周辺のレクリエーション地域への拠点として、観光業も主要産業の一つとなっている。サウスウェスト・ミズーリ州立大学、ドルーリ大学の所在地でもある。

[作野和世]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「スプリングフィールド」の意味・わかりやすい解説

スプリングフィールド
Springfield

アメリカ合衆国イリノイ州中央部にある同州の州都。人口11万5668(2005)。小麦,トウモロコシ,大豆栽培と牧畜の盛んな農業地帯の商業中心地でもある。第16代大統領リンカンゆかりの地で,彼の自宅,墓(オーク・リッジ墓地)などがあり,州立歴史図書館は手紙そのほかのリンカン・コレクションを誇る。1818年に集落が建設され,リンカンを含む〈ロング・ナイン(長身の9人)〉と呼ばれる人々の努力で,37年に州都となった。州議事堂(1868-88建設)はラテン十字をかたどったものである。市名は付近のスプリング川に由来する。
執筆者:


スプリングフィールド
Springfield

アメリカ合衆国マサチューセッツ州南西部の工業都市。人口15万1732(2005)。化学,製紙,プラスチック,電気機器,銃火器製造などが主要な工業活動である。1636年ピューリタンが定住し,41年に町制施行。スプリングフィールド銃が製造された合衆国最古の兵器厰(1794設立)があり,この中に銃器博物館がある。また,バスケットボール発祥の地でもあり,スプリングフィールド大学内にはバスケットボールの殿堂が設けられている。アメリカン・インターナショナル大学,ウェスタン・ニューイングランド大学など大学の数も多い。
執筆者:


スプリングフィールド
Springfield

アメリカ合衆国ミズーリ州南西部の都市。人口15万0298(2005)。標高384mにある,オザーク台地の中心都市。1827年に創建され,西漸運動時代の交通の拠点として栄えた。軽工業,酪農,養鶏業が主要産業をなし,またレクリエーション基地でもある。大学や宗教学校などの高等教育機関をもつ。南北戦争の激戦地ウィルソンズ・クリークは,市の南西16kmにあり,国立墓地には南北両軍の戦死者が眠る。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スプリングフィールド」の意味・わかりやすい解説

スプリングフィールド
Springfield

アメリカ合衆国,マサチューセッツ州南西部にある都市。コネティカット川下流の東岸に位置する。 1635年入植,農業と交易の中心地として発展。 1794年兵器工場の設立,19世紀初期の水力開発,1835年鉄道の開通などにより工業都市として繁栄。おもな産業は兵器,機械,電気器具,印刷工業。特にアメリカ独立戦争時に使われたスプリングフィールド銃の製造地で,スミス・アンド・ウェッソンのピストル工場は有名。スプリングフィールド大学 (1885創立) ,アメリカ国際大学 (85) ,美術館,博物館など文教施設が多い。辞典などの発行所として知られるメリアム・ウェブスター社がある。人口 15万3060(2010)。

スプリングフィールド
Springfield

アメリカ合衆国,イリノイ州中央部,サンガモン川の近くにある州都。 1818年頃入植,37年州都になったときは,人口 3000以下であった。アメリカでも最も豊かな農業地域の中心地で,トウモロコシ,コムギ,ダイズなどが取引される。工業では,電気計量器,電子機器,トラクタ,ボイラの製造が行われる。 37~61年リンカーンが住んでいたので,リンカーンに関係のある場所も多く,リンカーン記念館や墓などがある。人造湖スプリングフィールド湖は行楽地として有名。スプリングフィールド・カレッジ (1925創立) など大学も多い。人口 11万6250(2010)。

スプリングフィールド
Springfield

アメリカ合衆国,オハイオ州南西部,バッククリークにのぞむ都市。コロンバスの西 70kmに位置する。 1801年入植。広大な農場や自動車,印刷の大工場があり,電機,エンジン,タービンなどの機械工業も行われる。ウィッテンバーグ大学 (1845創立) ,ワーダー公立図書館,西方 16kmには空軍基地がある。 1902年に4Hクラブ運動がこの地で始められた。人口7万 487 (1990) 。

スプリングフィールド
Springfield

アメリカ合衆国,ミズーリ州南西部にある都市。オザーク高原の北,カンザスシティーの南東 240kmに位置する。 1829年入植,南北戦争のときは一時南軍に占領された。農産物の集散地,加工地で,金属製品,テレビなどの製造工場もある。付近は風光に恵まれ,夏季には訪れる人が多い。サウスウェストミズーリ州立大学 (1905創立) ,ドルリー・カレッジ (1873) などがある。人口 15万9498(2010)。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「スプリングフィールド」の意味・わかりやすい解説

スプリングフィールド(イリノイ州)【スプリングフィールド】

米国,イリノイ州の州都。サンガモン川に臨む。交通の要地で,トウモロコシ地帯(コーン・ベルト)の農産物集散地。南イリノイ炭田の一中心で,農業機械・食品加工・繊維工業が行われる。1837年から20年余の間,リンカンがこの地に住み弁護士を開業,その墓地がある。11万6250人(2010)。
→関連項目イリノイ[州]

スプリングフィールド(マサチューセッツ州)【スプリングフィールド】

米国,マサチューセッツ州南西部の工業都市。かつては各種の軍需工業のほか機械・印刷工業が盛んだった。1636年ピューリタンが定住して以来の古都。バスケットボール発祥の地として有名。15万3060人(2010)。クハチコピー,ホルヨークなどの衛星都市を含めた都市域人口は約69万人。
→関連項目冷凍食品

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

選挙公営

国または地方公共団体が個々の候補者の選挙費用の一部または全額を負担すること。選挙に金がかかりすぎ,政治腐敗の原因になっていることや,候補者の個人的な財力によって選挙に不公平が生じないようにという目的で...

選挙公営の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android