音の大きさの単位。日本で使われるホンという単位には,以下のように二つの意味がある。
(1)音の大きさのレベルの単位。英語でphon。音の大きさは感覚量で,物理的に音圧が等しくても周波数が異なると,感覚としての音の大きさは異なる。そこで1000Hzにおける人間の最小可聴値である音圧20μPaを基準にとり,これを0dBとし,それ以上の音圧はdB尺度で表した数値にホンを付けて表示する。20μPaで0ホン,200μPaで20ホンとなる。他の周波数では,1000Hzで測定したときの音の大きさと感覚が等しい場合に同じ数値で表す。120ホンがほぼ聴覚の限界となる。
(2)騒音レベルの単位で,法定計量単位。A特性と呼ばれる人間の耳の感度に似せて作られた聴感補正回路を有する騒音計の測定値の単位をホンとする。すなわちA補正を行った音圧レベルをdBで表現した数値に付する。日本独自のもので,欧米ではdB,dB(A)で表す。
執筆者:平山 宏之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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