多羅(読み)タラ

デジタル大辞泉 「多羅」の意味・読み・例文・類語

たら【多羅】

《〈梵〉tālaの音写
多羅樹たらじゅ」の略。
多羅葉たらよう」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「多羅」の意味・読み・例文・類語

たら【多羅】

[1] 「たらじゅ(多羅樹)①」、または「たらよう(多羅葉)①」の略。
法隆寺伽藍縁起并流記資財帳‐天平一九年(747)「合多羅拾玖口 丈六分銀多羅弐口」
[2] 「日本書紀」などで伝える、四世紀ごろの朝鮮半島任那(みまな)諸国一つ。現在の慶尚南道陜川の地と推定され、四世紀中頃大和朝廷の侵略にあったと伝える。

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改訂新版 世界大百科事典 「多羅」の意味・わかりやすい解説

多羅 (たら)

サンスクリット名ターラーTārāの音訳で,多羅仏母(ぶつも)ともいう。観音光明から出現したとされ,観音部の仏母として,胎蔵曼荼羅観音院において聖観音の西に描かれる。また衆生彼岸へ引導する菩薩と考えられ,ことにインド,チベット,中国では,後期密教の中で観音と並ぶものとして大いに信仰され,作例も多い。その形姿には胎蔵曼荼羅中の図像,すなわち中年女人の姿として表され,一面二臂(にひ)像で,肉身は青白色,合掌して蓮華座結跏趺坐(けつかふざ)し,頭部に化仏(けぶつ)の冠を戴くもののほか,各図像集等には種々な異形像が見いだされる。しかし日本ではあまり信仰が普及せず,遺像例もきわめて少ない。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「多羅」の意味・わかりやすい解説

多羅
たら

4世紀頃日本に服属した任那 (みまな) 国の一つ。現在の韓国慶尚南道陝川と推定される。6世紀には新羅に帰属した。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「多羅」の解説

多羅 (タラ)

植物モチノキ科の常緑高木,園芸植物タラヨウ別称

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