小川 尚義(読み)オガワ ナオヨシ

20世紀日本人名事典 「小川 尚義」の解説

小川 尚義
オガワ ナオヨシ

明治〜昭和期の言語学者 台北帝国大学教授



生年
明治2年2月9日(1869年)

没年
昭和22(1947)年11月20日

出生地
愛媛県

学歴〔年〕
東京帝大文科大学博物言語学科〔明治29年〕卒

主な受賞名〔年〕
帝国学士院恩賜賞〔昭和11年〕「原語による台湾高砂族伝説集」

経歴
台湾総督府学務課を経て、大正8年台北高商(旧制)教授となり、13年校長、昭和5年台北帝大創立で文政学部言語学教室講師、のち教授。11年退官。この間台湾の福建系台湾語と、高砂族の言語を研究。10年浅井恵倫とともに、インドネシア語系に属する高砂語で「原語による台湾高砂族伝説集」を完成、11年学士院恩賜賞を受賞。民俗学、比較言語学の貴重な資料となった。著書は他に「台日及び日台大辞典」(全2巻)、「パイワン語集」「アタヤル語集」「アミ語集」など。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「小川 尚義」の意味・わかりやすい解説

小川尚義 (おがわなおよし)
生没年:1869-1947(明治2-昭和22)

言語学者。愛媛県松山市に生まれ,1896年,東京帝国大学博言学科卒業と同時に台湾総督府学務部嘱託となり,主として閩南(みんなん)語(福建語)の研究を行ったが,同時にアウストロネシア系原住民,高砂(たかさご)族(高山こうざん)族)の諸言語(高山族諸語)についても多くの業績を残した。1930年台北帝国大学設立なるや文政学部教授となり,36年定年退職。浅井恵倫(えりん)との共著による《原語による台湾高砂族伝説集》(1935)はこの分野における金字塔と言うべく,現在に至るもこの本を凌駕する研究は現れていない。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「小川 尚義」の解説

小川尚義 おがわ-なおよし

1869-1947 明治-昭和時代の言語学者。
明治2年2月9日生まれ。台湾総督府学務部につとめ,昭和5年台北帝大教授となる。台湾語や高砂族の言語を研究。「原語による台湾高砂族伝説集」(共著)で11年学士院恩賜賞。昭和22年11月20日死去。79歳。伊予(愛媛県)出身。帝国大学卒。著作ほかに「日台大辞典」「台日大辞典」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「小川 尚義」の解説

小川 尚義 (おがわ なおよし)

生年月日:1869年2月9日
明治時代-昭和時代の言語学者。台北帝大教授
1947年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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