IBM(読み)アイビーエム

デジタル大辞泉 「IBM」の意味・読み・例文・類語

アイ‐ビー‐エム【IBM】[International Business Machines Corporation]

International Business Machines Corporation米国コンピューターメーカー。汎用機サーバーなどのハードウエアおよびソフトウエアの大手メーカー。1914年創立。2005年、パソコン部門を中国のレノボに売却。本社はニューヨーク州アーモンク。

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精選版 日本国語大辞典 「IBM」の意味・読み・例文・類語

アイ‐ビー‐エム【IBM】

  1. ( [英語] International Business Machines Corporation の略 ) アメリカ合衆国に本社のある世界最大のコンピュータメーカー。

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改訂新版 世界大百科事典 「IBM」の意味・わかりやすい解説

IBM (アイビーエム)

International Business Machines Corp.の略称。アメリカにある世界最大のコンピューター・メーカー。本社ニューヨーク州アーモンク。コンピューターでは設置金額ベースでアメリカ市場の約2/3,世界市場でも約1/2を占めていることから,コンピューターの〈巨人〉と呼ばれている。IBMは,1896年にアメリカの統計技官ハーマン・ホレリスによって設立された事務機会社タビュレーティング・マシーンズ社Tabulating Machines Co.をその出発点としている。同社は,1911年にニューヨークの実業家フリントにより買収され,彼がすでに買収していた自動はかりとタイムレコーダーをそれぞれ生産する2社と合併して,CTR社(Computing Tabulating Recording Co.)となった。これがIBMの前身である。CTR社は設立当初,経営不振が続いたため,NCR社のセールスマンだったトマス・ワトソンが14年社長となった。その後,PCSパンチカード・システム)による統計機の開発および生産設備の拡充に努め,PCSの販売基礎が固まった24年に現社名に改められた。コンピューター業界への参入は53年で,PCSを使った700シリーズ,650シリーズを開発した。次いで,60年に第2世代機といわれるトランジスターを使った7000シリーズ,64年に第3世代機といわれる集積回路を使った360シリーズ,70年に第3.5世代機といわれるLSI大規模集積回路)を使った370シリーズを,というように,つねに世界のコンピューター業界をリードしている。また通信分野への進出を強化するために75年に発足したSBS(Satellite Business Systems)に出資している。近年はソフトウェア事業(2004年売上比率16%)にも力を入れ,サービス部門(同48%),ハードウェア(同32%)に次ぐ柱になっている。典型的な多国籍企業で,百二十数ヵ国に進出し,売上げも海外のウェイトのほうが高い。在日法人として日本アイ・ビー・エム社(1937設立。59年現社名に変更)がある。売上高963億ドル(2004年12月期)。
コンピューター産業
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百科事典マイペディア 「IBM」の意味・わかりやすい解説

IBM[会社]【アイビーエム】

International Business Machines Corp.の略。1896年創業のタビュレーティング・マシン社(パンチカードシステムを製造)を起源とし,1911年同業2社を合併設立。1924年現社名に。世界最大のコンピューター会社で,常に新機種を開発,国際特許を背景に全世界に進出,超大型コンピューターからネットワークシステム,ソフトウェア,メンテナンスと幅広く事業展開。近年はソフトウェア事業などにも力を入れ,eコマースの浸透によりサービス部門は高成長。日本アイ・ビー・エム社は全額出資の子会社。本社ニューヨーク州。2005年,パソコン事業を中国のパソコン最大手レノボ(聯想)グループに売却。2011年12月期売上高1069億ドル。
→関連項目キヤノン販売[株]コンピューター産業シリコン・バレー・グループ[会社]多国籍企業パーソナルコンピューターマイクロソフト[会社]マンデルブローモルガン財閥ランドワードプロセッサー

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「IBM」の解説

IBM

米国にある世界でも最大級のシステムインテグレーター企業。1911年に設立された米CTR社が前身で、1924年に現在の社名に変更した。初めは電子計算機などを製作していたが、後にパーソナルコンピューターの開発にも着手し、1981年に16ビットCPUを搭載したIBM PCを発表する。OSにはCP/Mとの互換性を持つマイクロソフトのMS-DOSを採用し、仕様を全面的に公開したことで、一気にシェアを拡大した。現在ではパーソナルコンピューターの開発・販売部門はLenovo社に売却し、インターネット事業のソリューション(Webサイトの開発・運営、高性能サーバー)などを提供するe-business(イービジネス)を中心に展開している。

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世界大百科事典(旧版)内のIBMの言及

【コンピューター産業】より

…なかでも1960年完成の日本最初のオンライン・リアルタイム・システムである国鉄の自動座席予約装置,MARS‐1は,最新のコンピューター利用法として評判が高かった。 IBM社が60年生産開始の7000シリーズは全面的にトランジスターを使った第2世代の実用機で傑作といわれ,国産機の性能が著しく劣ることとなった。さらに特許関係の問題もあって,国産メーカー各社は60年12月にIBMと基本特許使用契約を結ぶとともに,IBMとの対抗上アメリカの有力メーカーとの技術提携に踏み切った。…

【ワトソン】より

…NCR社長のパターソンからは多くを学んだが,販売方針で対立して13年に解雇された。翌14年,はかり,タイムレコーダー,統計用製表機を扱っていたコンピューティング・タビュレーティング・レコーディング(CTR)社の再建を引き受け,24年には代表取締役となり,社名をInternational Business Machines(IBM)と変えた。35年の社会保障法の成立に伴って政府から統計機の多額の注文を受けて事業を拡大する一方,1933年から4年間は国際商業会議所の会頭を務めた。…

※「IBM」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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