IHI(読み)あいえいちあい

共同通信ニュース用語解説 「IHI」の解説

IHI

航空用ジェットエンジンや産業用機械などを幅広く手がける日本有数の重工業メーカー。1853年創業の石川島造船所源流とする。1960年に石川島重工業と播磨造船所合併して石川島播磨重工業発足、2007年にIHIに社名を変更した。航空機関連が看板事業で、本社東京。24年3月期の連結純損益は682億円の赤字だった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「IHI」の意味・わかりやすい解説

IHI(株)
あいえいちあい

日本有数の総合重工業会社。2007年(平成19)に石川島播磨重工業から現社名に変更した。石川島播磨重工業は1960年(昭和35)石川島重工業と播磨造船所が合併して発足。起源は、幕末の1853年(嘉永6)水戸藩が江戸・隅田(すみだ)川河口の石川島に開設した洋式造船所にさかのぼる。明治維新官営となったが、1876年(明治9)平野富二(とみじ)の個人経営となり、日本初の民営造船所として新発足。1889年に有限責任石川島造船所となった。同社はその後の発展過程で各種陸上機械部門に積極的に進出し、第二次世界大戦前にはその多角化した事業から、石川島飛行機製作所、石川島自動車製作所(現、いすゞ自動車)などが分離、独立していった。播磨造船所は1907年(明治40)に阪神地方の有力者の共同出資で設立され、1916年(大正5)鈴木商店に買収された。その後一時期、神戸製鋼所に併合されたが、1929年(昭和4)にふたたび独立するという経過をたどった。

 両社の合併は、機械部門に傾斜した石川島重工業と、造船部門に傾斜した播磨造船所の相互補完をねらったものである。合併後の石川島播磨は総合重工業企業としての地位を確立し、愛知県知多半島に100万トン級ドックを建設(2018年11月閉鎖)したほかブラジルシンガポールの合弁造船所をはじめ、海外事業も活発に展開した(ブラジルからは2016年に撤退)。近年は航空・宇宙・防衛産業分野で強みを発揮しており、航空機用ジェットエンジンでは日本でもトップの座を占めている。資本金1071億6500万円(2019)、売上高1兆4834億4200万円(2019年3月。連結ベース)。

[中村青志]

『石川島播磨重工業株式会社編・刊『石川島播磨重工業社史』全2巻(1992)』


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「IHI」の意味・わかりやすい解説

IHI
アイエイチアイ
IHI Corporation

造船,機械を中心とする重工業会社。嘉永6(1853)年石川島に造船所創設。1876年個人経営となり,日本で初の民間造船所,石川島平野造船所を設立した。1889年石川島造船所設立。1893年東京石川島造船所に改称,1945年石川島重工業を設立。1960年播磨造船所と合併して石川島播磨重工業が発足。1962年芝浦ミシン,石川島芝浦精機と合併。この間新立川航空機,いすゞ自動車など多数の会社を分離設立。その後も合併を重ねて発展した。2007年現社名に変更。陸上部門や航空機用ジェットエンジン,宇宙機器,新産業(省力産業,公害防止産業)などにも進出,東芝とのシステム連携も進んでいる。

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「IHI」の解説

IHI

正式社名「株式会社IHI」。英文社名「IHI Corporation」。機械工業。嘉永6年(1853)「石川島造船所」創業。明治22年(1889)「有限責任石川島造船所」設立。昭和35年(1960)「石川島重工業株式会社」と「株式会社播磨造船所」の合併(石川島播磨重工業株式会社)を経て、平成19年(2007)現在の社名に変更。本社は東京都江東区豊洲。総合重機械工業。航空・宇宙関連、造船を扱う重機大手。民生用ジェットエンジンではトップクラス。東京(第1部)・名古屋(第1部)・札幌・福岡の各証券取引所上場。証券コード7013。

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世界大百科事典(旧版)内のIHIの言及

【ハトホル】より

…メンフィスのシカモアのハトホルと呼ばれ,ギリシア人によってアフロディテと同一視された。デンデラにおいて,ホルス,彼らの息子であるイヒIhiとで三柱神をなした。その属性は多彩で,王の養育者,ホルスの母(ときにはその配偶者),黄金の女神,幸福・音楽・踊りの女神,シカモア樹の精,さらには天空の女神として,牝牛,日輪と牛の角を頂く女性の姿などで表される。…

※「IHI」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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