銀行同士が資金を融通し合う際の金利の指標。ロンドン銀行間取引金利とも呼ばれる。複数の大手銀行が提示した値から集計する。不正操作問題を受け、集計主体は英銀行協会から米インターコンチネンタル取引所に移った。通貨や融資期間ごとに算出されており、住宅ローンからデリバティブ(金融派生商品)まで金融商品の基準となっている。(ニューヨーク共同)
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短期金融取引(期間1年以下)で、国際的な目安としてもっとも使われていた指標金利(基準金利)。1986年から2023年まで存在。ドル、ユーロ、円など主要通貨に対し取引期間ごとに指標金利を設け、これを参考に取引する金融商品は200兆~360兆ドル(2.2京~2.9京円)に達していた。しかし2012年に金利の不正操作が発覚し、2021年末に円、ユーロ、ポンド建てなどのLIBORが、2023年6月末にドル建てLIBORが廃止された。
正式名称はロンドン銀行間取引金利London Interbank Offered Rateで、LIBOR(ライボー)はこの略称。金利が刻々と変動する市場経済下で、金融取引が円滑にできるよう、イギリス銀行協会British Bankers' Association(BBA)が毎日公表していた。小売店が仕入れ価格に人件費や利益を上乗せして販売するように、銀行はLIBORに金利を上乗せして住宅ローン金利や企業向け融資金利を決めたほか、金利スワップ取引や社債発行などの参考にしていた。ピーク時にはドル、ユーロ、円、ポンド、スイス・フランなど主要10通貨について、15の取引期間ごとに計150種類のLIBORを設定。通貨ごとに指定されていた複数の民間銀行が毎日イギリス銀行協会に自行金利を申告し、平均するなどしてその通貨のLIBORを算出・公表していた。しかし2012年、国際決済銀行などの金融当局の調査で、複数の大手銀行が2005~2009年の申告金利を偽っていたことが判明し、その後、廃止が決まった。LIBOR廃止で、円建てLIBORのかわりの指標は、(1)無担保コール翌日物金利(TONA(トナー))、(2)TONAを使って算出する東京ターム物リスク・フリー・レート(TORF(トーフ))、(3)LIBORと同様な仕組みで算出する東京銀行間取引金利(TIBOR(タイボー))、の3種類が活用されている。ドル建てのかわりの指標は、担保付き翌日物資金調達金利(SOFR)などである。
[矢野 武 2023年4月20日]
(2012-07-19)
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