1930年に設立された世界60カ国・地域の中央銀行(中銀)が加盟する組織。「中銀の中銀」とも呼ばれる。通貨や金融の安定化を進める各中銀を支援し、中銀間の協力を後押しする。中銀や国際機関からの預金の受け入れなども行っている。外国為替やデリバティブ(金融派生商品)取引の統計なども提供。日本銀行は94年9月から理事会のメンバー。本部はスイス・バーゼル。(共同)
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略称BIS。1930年1月の「国際決済銀行に関する条約」に基づいて、同年5月に主要国の共同出資によってスイスのバーゼルに設立された中央銀行をメンバーとする国際的な銀行。第一次世界大戦後のドイツの賠償問題を処理する目的で発足し、賠償金の徴収、債権国への分配などが主要業務であったが、当初から中央銀行間の協力推進の場を提供するとともに、中央銀行からの預金の受入れ業務等の銀行業務も行っている。
第二次世界大戦後は、国際通貨基金(IMF)等の設立により清算される予定であったが、ヨーロッパ決済同盟の発足(1950年)に始まるヨーロッパの地域協力機関の受託・代理機関として活動したことなどにより、その役割が再度見直された。各国中央銀行の協力の要(かなめ)として、中央銀行からの預金を受け入れるとともに、国際金融業務への便宜の供与、国際金融決済の受託・代理業務、さらには国際金融問題に関して各国中央銀行が討議する機関としての役割を果たしてきている。
たとえば、ポンド安定のための対英借款供与、ドル安定のためのスワップ協定の締結など、国際金融面では積極的な役割を演じてきたが、とくに1988年のBIS規制、2004年の新BIS規制の公表は有名である。これは、1984年にアメリカで起こったコンチネンタル・イリノイ銀行の破綻(はたん)を機に、国際金融業務を行う銀行は、信用秩序維持のため8%以上の自己資本比率を維持することを取り決めたものである。
加盟国は、2005年現在55か国で、日本は設立時から参加したが、戦後一時離脱し、1970年(昭和45)に再加盟した。事実上の最高意思決定機関は理事会であるが、年1回の年次総会のほかに、10か国グループ(G10)総裁会議、グローバル・エコノミー総裁会議、拡大総裁会議(これらを総称して、中央銀行総裁会議という)とよばれる会合を開催している。G10総裁会議に報告をする種々の常設委員会があり、BIS規制はその一つであるバーゼル銀行監督委員会で定められたものである。
[土屋六郎・中條誠一]
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…国際決済銀行Bank for International Settlementsの略称。〈ビス〉ともいう。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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