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TRON トロン

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ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

TRON

東京大学の坂村健氏が提唱し、社団法人トロン協会が推進している、新しいコンピューターアーキテクチャーとその仕様やOSの設計を目的としたプロジェクトのこと。OA機器用のBTRON、機械制御用のITRON通信機器制御システム用のCTRON、BTRONとCTRONとITRONを統合したMTRON、ITRONにJava環境を組み合わせJTRONなど、使用目的ごとに分けたアーキテクチャーの設計を行っている。

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デジタル大辞泉の解説

トロン【TRON】[The Real-time Operating-system Nucleus]

The Real-time Operating-system Nucleus》身の回りのあらゆる場所にコンピューターや情報機器を遍在させ、相互に有機的に連携するユビキタスコンピューティングの構築を目指すプロジェクト。1984年東京大学の坂村健氏が提唱し、財団法人トロン協会が同プロジェクトを推進。名称の由来は、実環境での利用を念頭に、リアルタイム性を重視したオペレーティングシステムを採用していることから。機械制御、通信制御、パソコン向けのオペレーティングシステムBTRONなどの複数のサブプロジェクトで構成され、それぞれ規格や仕様の策定が進められている。身近なところでは、携帯電話情報家電などの組み込みOSとしてITRONが広く採用されている。

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百科事典マイペディアの解説

TRON【トロン】

the realtime operating system nucleusの略。東京大学の坂村健が提唱する新しいコンピューターアーキテクチャー。大型コンピューターからマイクロコンピューターまで統一的に研究・開発し,わかりやすいコンピューター社会を実現しようとするプロジェクト。

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IT用語がわかる辞典の解説

トロン【TRON】

身の回りにコンピューターを組み込んだ機器や設備が遍在するユビキタスコンピューティング環境の構築を目指すプロジェクト。昭和59年(1984)に東京大学の坂村健が提唱。いくつかの連携するサブプロジェクトにより構成される。そのうちのひとつにより作成された組み込みシステム向けリアルタイムオペレーティングシステムの技術仕様「ITRON(アイトロン)」は、携帯電話や情報家電などに広く使用されている。◇「The Real-time Operating system Nucleus」から。

出典|講談社
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大辞林 第三版の解説

TRON

〖The Real-Time Operating System Nucleus〗
トロン

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

TRON
とろん
The Real-time Operating system Nucleus

The Real-time Operating system Nucleusの頭字語をとった略語。これまで積み上げられてきたコンピュータの体系全体を新たな概念により一新し、来るべき電脳社会に備えようとするプロジェクト名。1984年(昭和59)に東京大学助教授(現・教授)の坂村健(さかむらけん)(1951― )が提唱して開始されたプロジェクトで、トロン協会(会員66社11団体、2008年3月現在)を中心に基礎と応用のプロジェクトに分かれて開発が進められてきている。
 リアルタイム、同時に複数処理を行うマルチタスク、日常語をベースにしたオペレーティングシステム(OS、基本ソフトウェア)とそれを実行するTRONチップやなじみやすいヒューマン・インターフェースを開発し、「いつでも、どこでも」ほしい情報が得られて利用しやすい電脳社会(ユビキタス社会)を実現するための、超機能分散システム(Highly Functionally Distributed Systemを略してHFDS)の開発を目ざす。[岩田倫典]

基礎プロジェクト

基礎となるサブ・プロジェクトには、外部環境の変化やユーザーの指示などに実時間で反応できる一連のOSとして、組み込みシステム用のITRON(アイトロン)、パソコンやワークステーション用のBTRON(ビートロン)、通信制御や情報処理を目的としたOSインターフェース用のCTRON(シートロン)、これらOSを接続・統合して住環境を制御するMTRON(エムトロン)、Java(ジャバ)融合のJTRON(ジェートロン)、ユビキタス・コンピューティングをねらったeTRON(イートロン)がある。
(1)ITRON(Industrial TRON)は制御用マイクロプロセッサーのための組み込み用リアルタイムOSで、エレベーターやエアコン、工場内の工作機器のトロンチップを制御する。家電機器や産業機器のメーカーにITRONを使い慣れた技術者は多く、ソフトの資産も多い。さらに、8ビットの小型μITRON(ミューアイトロン)は移植性がよい標準化ソフトとして、デジタルテレビ、カーナビゲーションなどのアプリケーション・ソフトに対応している。
(2)BTRON(Business TRON)はエンドユーザー向けの統合操作環境を提供する高水準OSで、TRONチップの入ったパソコンを制御する。日本航空の予約システム、パソコン、ワークステーションへの搭載、障害者向け機能をももつ「電房具」シリーズ、「超漢字」などの実績がある。OSの容量が小さく軽いので、取り付け容易で軽快な動作をし、電子文房具などと接続するためのリアルタイム性を活かすμBTRONバスも用意されている。
(3)CTRON(Communication and Central TRON)はメインフレーム・コンピュータ制御のためのOSで、高度なサービスの提供を可能にする。ノンストップ・コンピュータ、無停止型通信用プラットフォーム(基盤OS)などに適応されている。
(4)MTRON(Macro TRON)は、未来の住宅や工場、ビルなどでエアコン、エレベーターなどの住環境用の機器から各種の工作機器まで、数多く(Macro) 組み込まれたTRONチップを相互に結び付け有機的に連携させて制御するOS。たとえばこれにより、独自のセンサーで制御されている多くのデジタル家電をネットワークで結び(ネット家電)、モジュラー・パネルによって快適な住宅環境の提供が可能になる。
(5)JTRONはリアルタイムOSのITRONとJavaの実行環境を融合させたITRONの仕様。この仕様はJavaプログラムからITRONプログラムを呼び出し、あるいは逆を行って両者の利用を可能にするインターフェース用。「JBlend ITRON」はリアルタイムOSであるμITRONとJavaOSを連携させたもので、ネットワークやユーザー・インターフェースの処理などはJavaOSが、リアルタイム処理はJTRONが受けもつ仕組み。すでに、ミニディスクAVレコーダー、デジタルフォトアルバムなどの応用製品がある。
(6)eTRON(entity TRON)は、情報の形を、複製・改竄(かいざん)や盗聴が困難なデジタル情報(電子実体)に換え、光速で運ぶためのアーキテクチャー。公開鍵(かぎ)暗号を効率よく処理するeTRONデバイス間の認証通信により、情報のセキュリティー(安全性)は確保され、販売、発行、配付などの広域流通システムをインターネットや携帯電話網上でも安心して構築できる。
 さらに、これらOSに対応できるアーキテクチャーをもつ独自の「トロン仕様チップ」の開発と、プログラムやデータの互換性を保つための標準ガイドラインを与える「TRON電子機器ヒューマン・インターフェース」のサブ・プロジェクトが展開されている。[岩田倫典]

応用プロジェクト

応用サブ・プロジェクトは、基礎での成果を具体的に試すためのものである。具体的には、光や音、風にも対応し気象に応じて窓まで開閉するトロン電脳住宅(居住実験進行中)、大部屋内の各個人に応じて快適で能率的な労働環境を提供するトロン電脳ビル(具体化予定)、21世紀前半に実現したいとするトロン電脳都市、未来のユビキタス社会で安全快適な運転が可能となるトロン電脳自動車網などがある。また、普及を加速するために、TRONに適したソフトをつくりやすくするためのT‐Engine(ティーエンジン)(TRON Engine)の開発、これを使いこなせる大量の「技術者養成」のサブ・プロジェクトがスタートしている。[岩田倫典]
『坂村健著『コンピュータはどこへ』岩波高校生セミナー3(1998・岩波書店) ▽坂村健著『情報文明の日本モデル――TRONが拓く次世代IT戦略』(2001・PHP研究所) ▽坂村健著『痛快!コンピュータ学』(2002・集英社文庫)』

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世界大百科事典内のTRONの言及

【オペレーティングシステム】より

…BIOSは固有名詞ではなく,複数の社が販売しており,通常各社が自社のハードウェアに合わせて少し変更して製品に組み込むという形をとる。TRONトロン。東京大学の坂村健が提案した実時間OS核。…

※「TRON」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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