Gコード(読み)ジーコード

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「Gコード」の意味・わかりやすい解説

Gコード
ジーコード

テレビ番組録画予約を簡単に行なうため,放送番組ごとに付与されていた最大 8桁の番号。Gコードは商標。Gコードが導入されるまでは,ビデオテープレコーダ VTRで番組を録画する際,日付,チャンネル,番組開始時刻,番組の長さを機器に入力する必要があった。アメリカ合衆国のジェムスター・デヴェロップメント・コーポレイションがこれらのデータを最大 8桁の数字に置き換える独自の変換式を開発し,数字を打ち込むだけで簡単に番組の録画予約ができる専用リモートコントロール端末(ビデオ・プラス)を 1990年にアメリカで発売した。日本では,1992年4月に『朝日新聞』がテレビ番組欄に Gコードの掲載を開始,翌 1993年にほかの一般紙や地方紙などにも広がった。家庭用VTRの普及やテレビ録画の増加に対応した新しい読者サービスともいえるもので,各家電メーカーもビデオ・プラス内蔵型VTRの生産・販売を始めた。このシステムはアメリカをはじめイギリスカナダフランス大韓民国などでも普及した。ピーク時には国内の新聞・出版社の約 90社,120紙誌に掲載され,家電メーカー 15社の多くの製品に採用された。しかし,地上波による放送,放送衛星による BS放送デジタル化されると,電子番組ガイド EPG画面で番組を選んで録画予約することが可能になり,2011年7月の地上波・BS放送のアナログ停波に伴い,アナログ放送が延長された地域など一部を除き Gコードは不要になった。

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