国際オリンピック委員会(IOC)や国際競技団体などが特例として承認し、オリンピックに参加する個人資格を得た選手や選手団。個人参加五輪選手Individual Olympic Athletesや、独立参加選手団Independent Olympic Athletesの略で、IOAという個人区分の参加枠が設けられることがある。
通常、オリンピックに参加する選手は、各競技の国内団体が選出し、国内オリンピック委員会がその国の代表選手としてオリンピックの大会に派遣する。ただし、オリンピック憲章には特例措置として、国内オリンピック委員会や国内団体が存在しないときの個人資格(個人名義)での参加を認める細則が設けられている。IOAの参加資格は、この細則によって認められた資格である。
2012年(平成24)のロンドン大会では、2011年7月にスーダン共和国から分離・独立した、南スーダン共和国のマリアルGuor Marial(1984― )が、個人参加五輪選手としてマラソン競技に出場した。また、オランダ領アンティル選手団は、自治領の解体により派遣団体がなくなり、独立参加選手団として参加している。2000年シドニー大会では東チモール選手団、1992年(平成4)バルセロナ大会では旧ユーゴスラビア内6共和国の選手団が、IOAとしての特例措置を受けている。
なお、シドニー大会のテコンドー銅メダリスト、岡本依子(よりこ)(1971― )は、2004年アテネ大会出場を前に、国内競技団体の分裂によって国内団体からの承認が得られないという不測の事態になった。この際には岡本選手が国際オリンピック委員会と国際テコンドー連盟より個人参加オリンピック選手での参加資格の承認を得て、日本オリンピック委員会が大会へ派遣するという方法で出場している。
[編集部]
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