kobotouch(読み)こぼ たっち(その他表記)kobo touch

知恵蔵 「kobotouch」の解説

kobo touch

楽天傘下のカナダKobo社が提供する電子書籍端末。2012年7月19日に楽天から国内販売が開始された。電子ペーパーを採用した16諧調グレースケールのタッチ式6インチディスプレイは、眼に優しく、約1カ月連続駆動が可能な省電力性も備えている。他にも、microSDカードの利用ができる。モノクロではあるものの、Wi-Fi経由でインターネットの利用ができる。以上のような特徴を持つが、同様の機能を持つSony Reader等が1万円以上であるのに対し、7980円という低価格も大きな魅力の一つとなっている。
kobo touchを購入したユーザーは、別途、設定用のソフトをインストールしたパソコンを用意して、パソコンにkobo touchを接続し、アクティベーション(端末認証)を行わなければならない。アクティベーションが完了しないとkobo touchの利用ができないのだが、発売当日、設定用のソフトに不具合があり、2000~3000人ものユーザーがアクティベーションできないというトラブルが発生した。さらに、無事アクティベーションができたユーザーも、サーバー混雑によってコンテンツが利用できないというトラブルが重なり、販売サイトは炎上、ユーザーレビューは最低評価ばかりといった、苦々しいスタートとなった。
楽天三木谷社長は、この問題に対し陳謝するとともに、ソフトの再配布や、サーバーやサポートセンターのスタッフを増強するなどの対応を行い、「問題は48時間以内に解決した」「端末に欠陥はないと」などと述べたが、三木谷社長の独断で、最低評価ばかりのレビュー欄を削除したことが、一部ユーザーのさらなる怒りを買うことになった。
しかし、楽天は、随時日本語書籍を増やし、8月27日には、初期設定でパソコンが不要な簡単設定を導入するなど、引き続き改善、改良を行っており、発売から1カ月で、販売台数も10万台を突破した。なお、2012年は、世界で最も売れている電子書籍リーダー、Amazon社のkindleが国内販売の予定となっており、日本における今後の電子書籍普及と、各社のシェア争いが見ものである。

(横田一輝  ICTディレクター / 2012年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

知恵蔵mini 「kobotouch」の解説

kobo touch

楽天が子会社のカナダKobo社を通じて提供する、日本市場向けの電子書籍端末。価格は7980円。最大約1000冊の保存が可能で、1回の充電で最長1カ月使用できる。2012年7月19日より、端末の販売と「Kobo イーブックストア」でのコンテンツ配信を開始。コンテンツは小説エッセイ、ビジネス書、コミックなど幅広く、日本語で約3万冊、外国語も含めると240万冊超が用意されており、順次拡充される。

(2012-07-03)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android