知恵蔵 「kobotouch」の解説
kobo touch
kobo touchを購入したユーザーは、別途、設定用のソフトをインストールしたパソコンを用意して、パソコンにkobo touchを接続し、アクティベーション(端末認証)を行わなければならない。アクティベーションが完了しないとkobo touchの利用ができないのだが、発売当日、設定用のソフトに不具合があり、2000~3000人ものユーザーがアクティベーションできないというトラブルが発生した。さらに、無事アクティベーションができたユーザーも、サーバーの混雑によってコンテンツが利用できないというトラブルが重なり、販売サイトは炎上、ユーザーレビューは最低評価ばかりといった、苦々しいスタートとなった。
楽天三木谷社長は、この問題に対し陳謝するとともに、ソフトの再配布や、サーバーやサポートセンターのスタッフを増強するなどの対応を行い、「問題は48時間以内に解決した」「端末に欠陥はないと」などと述べたが、三木谷社長の独断で、最低評価ばかりのレビュー欄を削除したことが、一部ユーザーのさらなる怒りを買うことになった。
しかし、楽天は、随時日本語書籍を増やし、8月27日には、初期設定でパソコンが不要な簡単設定を導入するなど、引き続き改善、改良を行っており、発売から1カ月で、販売台数も10万台を突破した。なお、2012年は、世界で最も売れている電子書籍リーダー、Amazon社のkindleが国内販売の予定となっており、日本における今後の電子書籍の普及と、各社のシェア争いが見ものである。
(横田一輝 ICTディレクター / 2012年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報