硝子体混濁(読み)しょうしたいこんだく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「硝子体混濁」の意味・わかりやすい解説

硝子体混濁
しょうしたいこんだく

硝子体は光の通路の一部であるため、正常であれば透明であるが、ここに濁りが発生した状態を硝子体混濁という。生まれつきのもの、目の病気によるもの、老人性変化によるものに分けられる。生まれつきのものは、胎児のときの硝子体組織の残りが原因である。目の病気によるものには、眼内の出血炎症などのほか、網膜剥離(はくり)の前駆症状として飛蚊(ひぶん)症が現れることもある。また硝子体の老化によって硝子体の構造が変化し、水分と固形成分の分離が進行すると、硝子体中に水たまりができ(硝子体融解)、この水たまりはだんだんと集まって大きくなる。この水たまりの後壁が破れるようなことになると、網膜から硝子体がはがれることになる。このときにも硝子体混濁が発生する。

[松井瑞夫]

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家庭医学館 「硝子体混濁」の解説

しょうしたいこんだく【硝子体混濁 Vitreous Opacity】

[どんな病気か]
 硝子体が濁った状態をいいます。原因は、硝子体の出血、炎症、変性などです。
 濁りの程度によって、視力障害の症状に幅があります。
 眼底検査で診断されます。
 硝子体の濁りが自然に吸収されず、視力障害が続く場合には、手術が行なわれます。

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世界大百科事典(旧版)内の硝子体混濁の言及

【硝子体】より

…これが飛蚊(ひぶん)症vitreous floaters(myodesopsia)である。検査によって明らかになったものは硝子体混濁vitreous opacityというが,病的である場合とそうでない場合がある。病的なものは,網膜裂孔形成,ぶどう膜炎による滲出物や,眼底血管病変による出血や増殖物などが原因となって起こり,治療の対象となる。…

※「硝子体混濁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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