A・A・ミルンの童話集。1926年刊。クリストファー・ロビンの部屋に集まるクマのプーをはじめとする縫いぐるみたちの物語。登場者たちは、それぞれ生き生きとした個性をもち、彼らが森の中で繰り広げる物語の世界は、子供たちが入り込んでともに遊べる、不思議に楽しい現実感にあふれている。ことば遣い、素材、構成など、詩作や劇作で磨いた作者のみごとな表現力に、風景画家アーネスト・シェパードによるユーモラスで物語性豊かな絵が加わって、子供にも大人にも愛される児童文学の傑作。続編に『プー横丁にたった家』(1928)がある。初訳は1940年(昭和15)石井桃子による。
[松野正子]
『石井桃子訳『クマのプーさん・プー横丁にたった家』(1962・岩波書店)』
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