改訂新版 世界大百科事典 「レリア」の意味・わかりやすい解説
レリア
Laelia
ラエリア属Laeliaの着生洋ラン。常緑で,メキシコからブラジル南部に分布し,岩について生活しているため,ロックレリアと呼ばれているものもある。約75種あり,カトレア属とよく似ているが,カトレアの花粉塊が4であるのに対し,レリアは8であることで区別される。茎は紡錘状で表面は硬く,茎の頂部より,革質の葉を1~2枚つける。花は茎の頂部より花茎を出し,長いものは100cmにおよび,その花茎上に5~10輪前後の花をつける。花色は桃,黄,橙赤,白などさまざまで,花型はカトレアに比べると細くかれんさがある。多くの種が栽培されているとともに,種間あるいは属間雑種の交配親としても利用され,多数の園芸品種が育成されている重要な洋ランの一群である。
原種あるいは交配親としては,次のようなものが有名である。ラエリア・アルビダL.albida Batem.は白花で,メキシコ原産。ラエリア・キンナバリナL.cinnabarina Batem.は黄色花で,ブラジル原産。ラエリア・フラバL.flava Lindl.も黄花種。ラエリア・プミラL.pumila Reichb.f.は小型で,大きなピンクの花をつける。ブラジル原産。ラエリア・プルプラタL.purpurata Lindl.ex Paxt.は,花は桃色あるいは紫色で,ブラジル原産。
近縁のカトレアCattleya,ブラッサボラBrassavola,ソフロニティスSophronitisなどの属と近縁のため交配が行われ,レリオカトレアLealiocattleya,ブラッソレリアBrassolealia,ソフロレリアSophrolealiaなどの人工交雑属が作出されている。
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報