窃盗の手口の一種で、営業中の百貨店・小売店などで買い物客を装い、店員や店内監視員などの人目をかすめて商品を盗み取ること。語源は、商品を間引くという意味の「間引(まび)き」からきているとされる。2008年(平成20)の警視庁による研究調査では、(1)出来心やゲーム感覚で行う、(2)あらゆる年齢層の常習者、(3)換金目的の計画的組織的犯行、の3タイプあると報告している。また、万引はかつて未成年者による(1)のタイプが多かったが、割合としては過去20年で減少し、逆に高齢万引被疑者が急増している。同年の警視庁統計では、万引の認知件数は14万5429件、検挙数は10万5986件となっており、「万引をしない、させない」社会環境づくり推進が課題である。
[上野文枝]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…比較的女性比の高い殺人罪においても,過半数が実子殺しであるほか,ほとんど密接な人間関係の中で行われており,葛藤犯罪としての性格を強く示している。女性の刑法犯検挙人員中最も多い罪種は窃盗で,72.5%(1996)を占め,その9割近くが万引である。日常の買物の場で行われるという女性の生活領域を示すとともに,月経等の生理作用の影響による情緒不安定状態との関連も指摘されている。…
※「万引」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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