鮮度を保つため,出荷や貯蔵に先立って,野菜や果物を3~5℃程度にまで冷却すること。野菜や果物は,収穫後高温下に置かれると,呼吸や蒸散を活発に行って,糖やビタミンなどの成分を消耗したり,しおれたりする。そこで,高温期に収穫する野菜や果物は,予冷によって温度を下げてから保冷庫で市場に運び,その間の呼吸や蒸散を抑えて品質の低下を防ぐことが多い。ホウレンソウ,シュンギク,レタスなど,葉が軟らかく,しおれやすい野菜の産地は,これまでは,収穫してから市場に到着するまでの時間が短い都市近郊に限定されていた。しかし,予冷によって遠隔地からの輸送が可能となった今日では,近郊での生産が難しい夏の間は,長野県などの冷凉な地帯から予冷されたこれらの野菜が大量に出荷されている。このほか,スイートコーン,セロリ,インゲンマメ,トマト,キュウリなどでも予冷が行われている。
執筆者:杉山 信男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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