傍目八目(読み)オカメハチモク

デジタル大辞泉 「傍目八目」の意味・読み・例文・類語

おかめ‐はちもく〔をかめ‐〕【傍目八目/岡目八目】

他人囲碁そばで見ていると、対局者よりも冷静に手が読める意から》第三者のほうが、物事の是非得失を当事者以上に判断できるということ。
[補説]「対局者よりも8手先まで見通せる」とする解釈が広く行われているが、もく手数を数える語ではなく、(石で囲んで自分のものとした部分)を数える語であるところから、「観戦者は8目分、得をする手を思いつく」の意とする説もある。

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精選版 日本国語大辞典 「傍目八目」の意味・読み・例文・類語

おかめ‐はちもくをかめ‥【傍目八目・岡目八目】

  1. 〘 名詞 〙 ( 局外から他人の囲碁を見ると、打っている人よりも形勢がよくわかる意から ) 局外から観察する者のほうが、当事者よりかえって物事の真相利害得失がはっきりわかることのたとえ。
    1. [初出の実例]「しぬるかいきるか大じの碁を、ふうふはおかめ八目で、おれがなんぎを悲しみて」(出典:歌舞伎・傾城浅間嶽(徳川文芸類聚所収)(1698‐1704))

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「傍目八目」の意味・わかりやすい解説

傍目八目
おかめはちもく

もと囲碁用語。傍目(岡目)はわきから見ること、傍観の意で、八目は囲碁の手数(てかず)をいう。囲碁の対局をわきから見る観戦者は、冷静に局面を判断して、八目先まで見通すことができる。その意から、傍観者立場にたって判断するほうが、物事の真相や利害得失を、当事者よりかえって的確にとらえることができることのたとえ。

[棚橋正博]

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