手数(読み)テスウ

デジタル大辞泉 「手数」の意味・読み・例文・類語


て‐かず【手数】

てすう(手数)1」に同じ。「手数をかけた料理」
てすう(手数)2」に同じ。「お手数ですが、よろしくお願いします」
囲碁将棋などで、ある手段を施すのに必要な着手の数。また攻め合いで、石を打ち上げるために詰めなければならない駄目の数。「手数を読む」「白のほうが手数長い
ボクシングで、パンチを出す度数。「手数は多いが有効打が少ない」

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精選版 日本国語大辞典 「手数」の意味・読み・例文・類語

て‐かず【手数】

  1. 〘 名詞 〙
  2. それに施すべき手段・手法・技(わざ)などの数。手続きの数。また、それらが多くて煩雑なこと。手間のかかること。てすう。
    1. [初出の実例]「思ひの外の手かずの入る事もあるべし」(出典:風姿花伝(1400‐02頃)二)
    2. 「お手数(テカズ)を懸(か)けるやうにもなりまする」(出典夜行巡査(1895)〈泉鏡花〉一)
  3. その物事のために、また、他人のために特に力を尽くすこと。てすう。
    1. [初出の実例]「ふりそむる雨の手かすにあふ花の色の深さを見ましこそすれ」(出典:為忠集(鎌倉中か))
  4. 手出しをする回数。ボクシングなどでいう。
  5. 囲碁・将棋で、ある石や駒を打ち上げるまでに要する手の数。

て‐すう【手数】

  1. 〘 名詞 〙
  2. てまひまのかかること。めんどうなこと。てかず。
    1. [初出の実例]「しばしの手数(テスウ)も省かんとて」(出典:にごりえ(1895)〈樋口一葉〉四)
  3. 他人のために尽力すること。骨おり。てかず。
    1. [初出の実例]「紙の中なる紙幣こそ、手数(テスウ)をかけし礼心」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉五)
    2. 「何うも御手数(テスウ)でした、ありがたう」(出典:道草(1915)〈夏目漱石〉一〇二)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「手数」の意味・わかりやすい解説

手数
でず

相撲技 (わざ) のこと。「相撲伝書」に「百五十有余の手数もすべて四肢,心体の技だから理にかなっていないものはない」,「相撲略儀抄」に「相撲手数百七十五手あり」とある。これを「でず」と読むのは吉田司家伝承であるが,熊本地方のなまりでこう発音されたものと思われる。

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