手数(読み)テスウ

デジタル大辞泉 「手数」の意味・読み・例文・類語

て‐すう【手数】

それをするのに要する動作作業などの数。てかず。「手数のかかる料理
他人のためにことさらにかける手間。てかず。「お手数でもよろしく」「お手数をかけて恐縮です」
[類語]手数てかず手間造作世話面倒めんどう厄介複雑煩瑣はんさ難しいうるさい煩わしい面倒臭いややこしいやかましいくだくだしいうっとうしいこうるさい気詰まりしち面倒しち面倒臭い煩雑難儀煩多錯雑錯綜さくそうしち難しい入り組んだ込み入った手が込んだ気が重い気が進まない気乗り薄うんざり億劫おっくう渋る投げ遣り大儀懶惰らんだ横着怠慢怠惰不精懈怠けたい世話が焼ける手が掛かる冗長繁簡ごたごたもつれる入り乱れる紛糾ごっちゃ乱雑雑然

て‐かず【手数】

てすう(手数)1」に同じ。「手数をかけた料理」
てすう(手数)2」に同じ。「お手数ですが、よろしくお願いします」
囲碁将棋などで、ある手段を施すのに必要な着手の数。また攻め合いで、石を打ち上げるために詰めなければならない駄目の数。「手数を読む」「白のほうが手数長い
ボクシングで、パンチを出す度数。「手数は多いが有効打が少ない」

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精選版 日本国語大辞典 「手数」の意味・読み・例文・類語

て‐かず【手数】

  1. 〘 名詞 〙
  2. それに施すべき手段・手法・技(わざ)などの数。手続きの数。また、それらが多くて煩雑なこと。手間のかかること。てすう。
    1. [初出の実例]「思ひの外の手かずの入る事もあるべし」(出典:風姿花伝(1400‐02頃)二)
    2. 「お手数(テカズ)を懸(か)けるやうにもなりまする」(出典夜行巡査(1895)〈泉鏡花〉一)
  3. その物事のために、また、他人のために特に力を尽くすこと。てすう。
    1. [初出の実例]「ふりそむる雨の手かすにあふ花の色の深さを見ましこそすれ」(出典:為忠集(鎌倉中か))
  4. 手出しをする回数。ボクシングなどでいう。
  5. 囲碁・将棋で、ある石や駒を打ち上げるまでに要する手の数。

て‐すう【手数】

  1. 〘 名詞 〙
  2. てまひまのかかること。めんどうなこと。てかず。
    1. [初出の実例]「しばしの手数(テスウ)も省かんとて」(出典:にごりえ(1895)〈樋口一葉〉四)
  3. 他人のために尽力すること。骨おり。てかず。
    1. [初出の実例]「紙の中なる紙幣こそ、手数(テスウ)をかけし礼心」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉五)
    2. 「何うも御手数(テスウ)でした、ありがたう」(出典:道草(1915)〈夏目漱石〉一〇二)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「手数」の意味・わかりやすい解説

手数
でず

相撲技 (わざ) のこと。「相撲伝書」に「百五十有余の手数もすべて四肢,心体の技だから理にかなっていないものはない」,「相撲略儀抄」に「相撲手数百七十五手あり」とある。これを「でず」と読むのは吉田司家伝承であるが,熊本地方のなまりでこう発音されたものと思われる。

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