先触(読み)さきぶれ

精選版 日本国語大辞典 「先触」の意味・読み・例文・類語

さき‐ぶれ【先触】

  1. 〘 名詞 〙
  2. あらかじめ触れ知らせること。予告。まえぶれ。
    1. [初出の実例]「顔見せの先ぶれは番附売八方へ散じ、芝居の挑灯はそれぞれの紋を照す」(出典:談義本・風流志道軒伝(1763)二)
  3. 室町時代から江戸時代にかけて、武将大名、官人、公家衆などの旅行にあたり、前もって街道宿駅に人馬の継立(つぎたて)休泊その他の手配をさせる通知書。
    1. [初出の実例]「五海道宿々人馬先触之儀に付、申上候書附」(出典:五駅便覧‐宝暦八年(1758)八月(古事類苑・政治九八))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「先触」の意味・わかりやすい解説

先触 (さきぶれ)

旅行者が旅行に先立って,通行する街道の宿駅に対して,必要とする人足や馬の数,さらには,到着日や休泊の予定書状で委託すること。中世からみられるが,近世に最も多く遣わされ,幕府役人勤番などの公務領主・公家衆の通行をはじめ,諸藩の役人の通行にも出された。到着日や休泊の予定は,これとは別に休泊付として遣わされることもある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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