吉満義彦(読み)よしみつよしひこ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「吉満義彦」の意味・わかりやすい解説

吉満義彦
よしみつよしひこ
(1904―1945)

哲学者鹿児島県生まれ。第一高等学校を経て、東京帝国大学文学倫理学科を卒業後、フランス留学ジャックマリタンの指導を受け、帰国後は上智(じょうち)大学、東京公教神学校で哲学を教え、母校講師も兼任した。学生時代に岩下壮一神父の影響で、プロテスタントからカトリック改宗、カトリック思想界を代表する人物として活躍し、多くの著作を残した。アリストテレストマス・アクィナスの総合に「久遠(くおん)の哲学」を認め、キリスト教的ヒューマニズムを説いて、近現代思想を批判した。

[大谷啓治 2018年3月19日]

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20世紀日本人名事典 「吉満義彦」の解説

吉満 義彦
ヨシミツ ヨシヒコ

大正・昭和期の哲学者



生年
明治37(1904)年10月13日

没年
昭和20(1945)年10月23日

出生地
鹿児島県大島郡亀津村(現・徳之島町)

学歴〔年〕
東京帝大文学部倫理学科〔昭和3年〕卒

経歴
東大在学中、麻布天主公教会司祭岩下壮一神父から感化を受け、昭和2年受洗。3年渡仏してジャック・マリタンに師事し、スコラ哲学を学ぶ。5年に帰国し、6年から上智大や東京公教神学校で哲学を講じ、10年から東大文学部講師となる。他方、思想界、文学界で講演、執筆に活躍し、季刊誌創造」、「現代カトリック文芸叢書」などの仕事をした。「吉満義彦全集」(みすず書房)、「吉満義彦全集」(講談社)がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「吉満義彦」の意味・わかりやすい解説

吉満義彦 (よしみつよしひこ)
生没年:1904-45(明治37-昭和20)

哲学者。鹿児島県出身。東京帝国大学文学部倫理学科卒。中学生のころからの熱心なプロテスタントであったが,岩下壮一に出会ってカトリシズムに接近,1927年カトリックの洗礼を受ける。28年大学卒業後渡仏,30年までおもにJ.マリタンの下で学ぶ。帰国後は上智大学,東京公教神学校,東大で教えるかたわら,多彩な文筆活動を行い,岩下とともに日本のカトリック思想界を指導した。《吉満義彦著作集》全4巻(1947-52)がある。
執筆者:

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「吉満義彦」の意味・わかりやすい解説

吉満義彦
よしみつよしひこ

[生]1904.10.13. 鹿児島
[没]1945.10.23. 東京
スコラ哲学者。東京大学在学中プロテスタントからカトリックへ改宗,1928~30年パリに留学し J.マリタンに師事。上智大学,公教神学校,東京大学などで教え,また聖フィリップ寮 (現真生会館) の舎監として青年を指導した。主著『カトリシズム・トーマス・ニューマン』 (1934) ,『文化倫理の根本問題』 (36) ,『詩と愛と実存』 (40) 。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「吉満義彦」の解説

吉満義彦 よしみつ-よしひこ

1904-1945 昭和時代前期の哲学者。
明治37年10月13日生まれ。東京帝大在学中,岩下壮一にであってプロテスタントからカトリックに改宗。フランスでジャック=マリタンに師事する。昭和6年上智大,東京公教神学校の講師。おおくの論文をかき,日本の代表的カトリック思想家として知られた。昭和20年10月23日死去。42歳。鹿児島県出身。著作に「詩と愛と実存」など。

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百科事典マイペディア 「吉満義彦」の意味・わかりやすい解説

吉満義彦【よしみつよしひこ】

カトリック哲学者。東大卒業後,岩下壮一につきトミズムを学ぶ。次いでパリに渡り,J.マリタンに師事。主著《文学と倫理》《詩と愛と実存》《哲学者の神》。

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367日誕生日大事典 「吉満義彦」の解説

吉満 義彦 (よしみつ よしひこ)

生年月日:1904年10月13日
大正時代;昭和時代のカトリック哲学者
1945年没

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