未亡人(読み)ミボウジン

デジタル大辞泉 「未亡人」の意味・読み・例文・類語

みぼう‐じん〔ミバウ‐〕【未亡人】

《夫と共に死ぬべきなのに、まだ死なない人の意。元来、自称の語》夫に死別した女性寡婦。後家。びぼうじん。
[類語]寡婦後家やもめ

びぼう‐じん〔ビバウ‐〕【未亡人】

みぼうじん(未亡人)」に同じ。
軍人の―だけあって」〈漱石こゝろ

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精選版 日本国語大辞典 「未亡人」の意味・読み・例文・類語

びぼう‐じんビバウ‥【未亡人】

  1. 〘 名詞 〙 夫に死なれた妻。元来、夫は死んだのに死におくれている意の自称の語であったが、後、他人からいう語となった。やもめ。後室。後家。びぼうふじん。みぼうじん。
    1. [初出の実例]「未亡人某、粛拝作礼、前白仏言」(出典江都督納言願文集(平安後)五)
    2. 「未亡人(ビバウジン)貞操といふ文字に縛られて寡居(やもめぐらし)をする事は」(出典:新粧之佳人(1886)〈須藤南翠〉一二)
    3. [その他の文献]〔春秋左伝‐荘公二八年〕

みぼう‐じんミバウ‥【未亡人】

  1. 〘 名詞 〙 ( 夫と共に死ぬべきであるのに、未だ死なない人の意 ) 夫に死なれた婦人。元来は自称の語であったが、後には他人からさしていう語となった。寡婦。後家。びぼうじん。
    1. [初出の実例]「女主人は陸軍少佐の未亡人(ミバウジン)」(出典:一家内の珍聞(1904)〈国木田独歩〉)

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改訂新版 世界大百科事典 「未亡人」の意味・わかりやすい解説

未亡人 (みぼうじん)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の未亡人の言及

【後家】より

…夫と死別した妻を一般的に後家,ヤモメと称したが,現在では未亡人という語が多く用いられている。しかしながらこの意味とは別に東北地方や北陸地方,伊豆諸島の一部などのように,ゴケヲイレル,ゴケイリ,ゴケカカなどといって後妻もしくは継母の意味で〈ゴケ〉が使われていることもある。…

【やもめ】より

…本項目では,配偶者を失って,その後再婚しないでいる者について記述する。 なお寡婦は,日本では後家,未亡人と呼ばれることが多いが,日本のかつての寡婦については,〈後家〉の項を参照されたい。【編集部】
[日本近代]
 第2次大戦前の社会事業は,〈鰥寡孤独(かんかこどく)〉を対象とするといわれた。…

※「未亡人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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